これまでのあらすじ
『我ら、パレット団、ここに参上。』
縦横無尽に巻き付かれた鎖が金色の輝きを放って引きちぎられてゆく。
最早人ならざる者に魔法を破られた衝撃で、ゴルデンが顔を顰めた横で。
あたしはさっき感じた違和感を反芻していた。
自白魔法を使った時から切れ切れに感じていた紅の心の声が、不意に途切れてしまった。
『…アはは、もウ…楽になっタよ…』
幾ら意識を向けても感じられない。
……ヤバい!
「ゴルちゃん、ごめん!」
咄嗟に獣化を解き、地面に脱ぎ捨てた上着を羽織った。
不意に恐怖を感じて採った行動だが、人に戻ることで、さっきよりは魔力を魔法に集中させることができる。
余程ただならない、無様な様子だったのだろう。
ゴルデンが声を掛けてきた。
「どうした?!何を聞いた?」
「何も。急に聞こえなくなっちまった。」
……やばい。
やばいやばいやばい!!
…………でも!
「…くっ…かかってこいよ、紅!!」
構えた瞬間。
「待ってくれ!」
少年少女たちが駆けてきた。
彼等は紅の様子に一瞬怯む様子を見せたが、闘いに加わった。
「『紅』…助けに来たぞ。さぁ、戦おうっ…!」
だが。
アノ紅には、命を奪う気持ちで戦わなくては。
その位でなくては彼は止まらない。
あたしは手足を獣化し、ゴルデンと一緒に紅の攻撃を弾きながら、苦戦する彼等に言った。
「少年!そいつは紅であって、全くの別モノだ!
殺すつもりで戦え!!」
「殺す??!俺らはそんな事のために戦うんじゃない!」
甘ちゃんめ。
「そんな眠いコト言ってられる状況じゃあない。紅の声が聞こえない今、奴は、いや、アレはやつの『魔法』があいつを乗っ取った状態だ。紅を救いたいのなら、『魔法』を叩き潰……」
「そんなこと分かってる!!!」
黒髪の少年が叫んだ。
あまりに大声で叫んだものだから、水魔法を出そうと四苦八苦していた少年と、その彼に補助魔法をかけようとしていた少女が、ビックリして一瞬固まった。
「解ってんだよそんなの!魔法に囚われた透明がどんな運命たどんのか!それを止めるために親父が俺を『黒』にした理由も!」
「だったら戦え!猶予は無いぞ!」
縛めの鎖を放ちながら、ゴルデンも彼に言った。
それだけ切迫した状況で。
紅い槍が、剣が、彼等に迫った。
「危ない!」
咄嗟に少年らを突き飛ばし、腹に、灼熱の鈍痛。
突き飛ばした勢いのままあたしは倒れ込んだ。
あーあ。しくじった。
その場にくずおれたあたしが目線を上げると、子ども達が真っ青な顔でで立ち竦んでるのが見えた。
(『人の死』なんか見た事無かっただろうに。気の毒な子達…。)
そんなどこか他人事めいた事を思い、でも、目を瞑る前に言っておかなきゃいけない事が。
急速に霞んでいく視界の中で。
「死にたくなかったら、ヤツの魔法を倒せ…」
私の声は、彼等の耳に届いただろうか。
最早人ならざる者に魔法を破られた衝撃で、ゴルデンが顔を顰めた横で。
あたしはさっき感じた違和感を反芻していた。
自白魔法を使った時から切れ切れに感じていた紅の心の声が、不意に途切れてしまった。
『…アはは、もウ…楽になっタよ…』
幾ら意識を向けても感じられない。
……ヤバい!
「ゴルちゃん、ごめん!」
咄嗟に獣化を解き、地面に脱ぎ捨てた上着を羽織った。
不意に恐怖を感じて採った行動だが、人に戻ることで、さっきよりは魔力を魔法に集中させることができる。
余程ただならない、無様な様子だったのだろう。
ゴルデンが声を掛けてきた。
「どうした?!何を聞いた?」
「何も。急に聞こえなくなっちまった。」
……やばい。
やばいやばいやばい!!
…………でも!
「…くっ…かかってこいよ、紅!!」
構えた瞬間。
「待ってくれ!」
少年少女たちが駆けてきた。
彼等は紅の様子に一瞬怯む様子を見せたが、闘いに加わった。
「『紅』…助けに来たぞ。さぁ、戦おうっ…!」
だが。
アノ紅には、命を奪う気持ちで戦わなくては。
その位でなくては彼は止まらない。
あたしは手足を獣化し、ゴルデンと一緒に紅の攻撃を弾きながら、苦戦する彼等に言った。
「少年!そいつは紅であって、全くの別モノだ!
殺すつもりで戦え!!」
「殺す??!俺らはそんな事のために戦うんじゃない!」
甘ちゃんめ。
「そんな眠いコト言ってられる状況じゃあない。紅の声が聞こえない今、奴は、いや、アレはやつの『魔法』があいつを乗っ取った状態だ。紅を救いたいのなら、『魔法』を叩き潰……」
「そんなこと分かってる!!!」
黒髪の少年が叫んだ。
あまりに大声で叫んだものだから、水魔法を出そうと四苦八苦していた少年と、その彼に補助魔法をかけようとしていた少女が、ビックリして一瞬固まった。
「解ってんだよそんなの!魔法に囚われた透明がどんな運命たどんのか!それを止めるために親父が俺を『黒』にした理由も!」
「だったら戦え!猶予は無いぞ!」
縛めの鎖を放ちながら、ゴルデンも彼に言った。
それだけ切迫した状況で。
紅い槍が、剣が、彼等に迫った。
「危ない!」
咄嗟に少年らを突き飛ばし、腹に、灼熱の鈍痛。
突き飛ばした勢いのままあたしは倒れ込んだ。
あーあ。しくじった。
その場にくずおれたあたしが目線を上げると、子ども達が真っ青な顔でで立ち竦んでるのが見えた。
(『人の死』なんか見た事無かっただろうに。気の毒な子達…。)
そんなどこか他人事めいた事を思い、でも、目を瞑る前に言っておかなきゃいけない事が。
急速に霞んでいく視界の中で。
「死にたくなかったら、ヤツの魔法を倒せ…」
私の声は、彼等の耳に届いただろうか。
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筆者:ANTZ 読者:246 評価:0 分岐:1
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このストーリーの評価
ANTZ #0 - 17/08/14
![](http://mincomu.sakura.ne.jp/~upImg/sns/1802/15_230153.jpg)
虫が良すぎる気もしますが。
是非!ギンコが生き残る方向で!
宜しくお願いします……!!
是非!ギンコが生き残る方向で!
宜しくお願いします……!!