これまでのあらすじ
『我ら、パレット団、ここに参上。』
「私は人形遣いのペゲース。男性魔導師です。」
男はフード付きのローブに身を包み、若いのか老いているのか、太っているのか痩せているのか、さっぱり分からない。
(まあた、面倒臭いのが来た。)
ギンコが人形遣いに向かって唸り声をあげると、男は肩を竦めて言った。
「やだなあ。私も混ぜて貰いますよ?」
フードの縁から覗く口を三日月の形にして、男はローブから次々に人形を取り出した。
「四元素を司る世界の理、命運を握る天の意思、糸と成して彼等を操らん!」
人形遣いが呪文を唱えると、人形達が立ち上がって人の姿に変わった。
「?!?アタシ達の姿にっ?!!」
動揺が隙を誘い、一瞬ギンコの警戒が逸れた。
その刹那、紅の攻撃がふたりを襲う。
二人が人形を盾に攻撃を防ぐと、紅がますます怒り狂ったように人形を破壊しようとしてきた。
人形達が「痛い痛い」と呻きながら、狼姿のギンコの毛皮を毟り、傷口に手指を突き立て、四肢に噛み付いてくる。
とうとうギンコは人形達に囲まれて身動きが取れなくなった。
その時、
「ギンコ中佐、大丈夫か!」
ゴルデンと彼等の部下が森に到着した。
だが。
森の反対側から同じ顔をした連中がやって来た。
「もー、ゴルちゃん遅いよ!」
「任務中にゴルちゃん言うな!!」
「今すぐ助成する!」
同時に二組から返事があった。
「成程ね。」
銀色の狼はゆっくりと息を吸い込み、細く細く遠吠えを響かせた。
(月光白銀ーー!)
ギンコの自白魔法である月光白銀は本来、プライバシー保護の観点から、通常犯罪者の尋問のみに使用される。
だが、この非常時にプライバシーの事など構っちゃいられない。
人形とヒトの違いは何か。
それは記憶や思考、感情の有無である。
ギンコは自白魔法を使うことで、人形を操るもの、心が無いモノを炙り出した。
遠吠えの残渣が森に漂う中、ギンコは周囲の人形の頭を噛み砕き偽物の軍隊に飛びかかって破壊した。
ゴルデンも、ギンコの意図を汲んで人形遣いを捕まえた。
「ああぁ~、私の人形があ……!」
情けない声をあげた男と、気絶している破壊王を捕縛し、魔法を使わせないように魔力を封じた。
残るは紅のみ。
実はゴルデンが彼を捕縛しようとしたのだが、紅の背に生えた槍で尽く払い叩き退けられてしまったのだ。
心を闇に沈めた紅の絶望は深く、その姿は人とは異なるものになりつつあった。
「ゴルデン中佐、どうする?」
「どうするも、こうなっては殺さざるを得ないだろう。」
市民の安全を守る兵士としてはやむを得ない決断だ。
だが。
ーーーーーーーーー
又長文になってしまいました。一旦ここで切ります。
良かったらどなたか分岐宜しくお願いします。
ペゲースがあんま活躍していないのですが、後日大暴れすると信じて。
所でギンコが攻撃しなかったゴルデン、分かりました?
タイトルはイプセンの戯曲のもじりデス。
男はフード付きのローブに身を包み、若いのか老いているのか、太っているのか痩せているのか、さっぱり分からない。
(まあた、面倒臭いのが来た。)
ギンコが人形遣いに向かって唸り声をあげると、男は肩を竦めて言った。
「やだなあ。私も混ぜて貰いますよ?」
フードの縁から覗く口を三日月の形にして、男はローブから次々に人形を取り出した。
「四元素を司る世界の理、命運を握る天の意思、糸と成して彼等を操らん!」
人形遣いが呪文を唱えると、人形達が立ち上がって人の姿に変わった。
「?!?アタシ達の姿にっ?!!」
動揺が隙を誘い、一瞬ギンコの警戒が逸れた。
その刹那、紅の攻撃がふたりを襲う。
二人が人形を盾に攻撃を防ぐと、紅がますます怒り狂ったように人形を破壊しようとしてきた。
人形達が「痛い痛い」と呻きながら、狼姿のギンコの毛皮を毟り、傷口に手指を突き立て、四肢に噛み付いてくる。
とうとうギンコは人形達に囲まれて身動きが取れなくなった。
その時、
「ギンコ中佐、大丈夫か!」
ゴルデンと彼等の部下が森に到着した。
だが。
森の反対側から同じ顔をした連中がやって来た。
「もー、ゴルちゃん遅いよ!」
「任務中にゴルちゃん言うな!!」
「今すぐ助成する!」
同時に二組から返事があった。
「成程ね。」
銀色の狼はゆっくりと息を吸い込み、細く細く遠吠えを響かせた。
(月光白銀ーー!)
ギンコの自白魔法である月光白銀は本来、プライバシー保護の観点から、通常犯罪者の尋問のみに使用される。
だが、この非常時にプライバシーの事など構っちゃいられない。
人形とヒトの違いは何か。
それは記憶や思考、感情の有無である。
ギンコは自白魔法を使うことで、人形を操るもの、心が無いモノを炙り出した。
遠吠えの残渣が森に漂う中、ギンコは周囲の人形の頭を噛み砕き偽物の軍隊に飛びかかって破壊した。
ゴルデンも、ギンコの意図を汲んで人形遣いを捕まえた。
「ああぁ~、私の人形があ……!」
情けない声をあげた男と、気絶している破壊王を捕縛し、魔法を使わせないように魔力を封じた。
残るは紅のみ。
実はゴルデンが彼を捕縛しようとしたのだが、紅の背に生えた槍で尽く払い叩き退けられてしまったのだ。
心を闇に沈めた紅の絶望は深く、その姿は人とは異なるものになりつつあった。
「ゴルデン中佐、どうする?」
「どうするも、こうなっては殺さざるを得ないだろう。」
市民の安全を守る兵士としてはやむを得ない決断だ。
だが。
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又長文になってしまいました。一旦ここで切ります。
良かったらどなたか分岐宜しくお願いします。
ペゲースがあんま活躍していないのですが、後日大暴れすると信じて。
所でギンコが攻撃しなかったゴルデン、分かりました?
タイトルはイプセンの戯曲のもじりデス。
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筆者:ANTZ 読者:286 評価:0 分岐:1
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このストーリーの評価
Kd #0 - 17/08/02
![](http://mincomu.sakura.ne.jp/~upImg/sns/2402/24_225544.jpg)
面白い
活躍に期待大です。