これまでのあらすじ

『エレメントブレイカーズ 』
1章.エレメントブレイカーズ 読者632 評価0 分岐1
2章.ー出会いー読者323 評価3 分岐1
3章.―翌日―読者388 評価4 分岐3
4章.黎明の邪神読者180 評価3 分岐1
5章.狐夢読者163 評価2 分岐1
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結城
17.09.02
178
3
1
………………………







スコー、と机に俯せで寝てしまった尊を起こすのを諦めた未晴

一度寝たら、中々起きないのである





____昔ッから本当……変わんないんだから____





もう一度ハァ………と溜息を吐く




「もう後数分でHR始まっちゃうよ………」



時計の針は、8時20分付近を指している


HRは8時30分から





「……………zzz」




尊が寝始めてもう20分。完全に熟睡している




____もう私だと慣れられ過ぎてて起こせないしなぁ…………。




他の人なら良いんだけど…………




恐れ多いんだよねぇ。




唯一救いになる紘人君はサボりで今此処には居ないし………____




誰か良い人居ないのかなぁ、と頬杖をつきながら考える




____あっ、そういえばもう一人居たな……____





ガラガラッ




「えっ、もう先生来たの?!」
「おい皆、座れ座れ!」


扉の開く音で、更にざわざわとし始める教室




「えっ、マジで?先生来た………




あっ、違った。なぁんだ、那美ちゃんか」

「なんだぁ、生徒会長か」
「そりゃ、未だ30分になってないしな。良かった良かった」

「何が良かった、だ」





教室に入って来た1人の少女



黒く、綺麗な長い髪を揺らし、そして頭に着けているチェック柄の布製カチューシャ


目は大きく、然し僅かに鋭く綺麗


其の可憐さが、此の空間に映える




生徒会長、天堂 那美





「……普通は座っているモノだろう?他のクラスは少し煩いが座っている。




………って、また居ないのか紘人君は?其れに尊君も………」




教室を見渡す那美




「そーなんだよ………」

「…………ハァ……何故此のクラスには異端児がこうも多いんだ……?」

「然もそんな奴等に限って頭良いという残念な」

「……………………」





呆れた様に深く溜息を吐く





「そうだ那美ちゃん。お願いがあるんだけど………尊、起こしてくれない?紘人君も居ない今、誰も起こせないんだよね」

「………何故僕に頼む?未晴さんでは起こせないのか?」

「私はもうやり口が慣れられちゃってて………他の人達は何か恐れ多いんだよ、私が頼んでも皆拒否しちゃう。確かに尊怖い面あるけどさぁ?




他に頼めるの、恐れのない那美ちゃんだけなんだよね…………お願いッ!私まで怒られるの嫌なんだよね」




手を合わせて、頼む、と訴えかける




「………分かったよ。どうやって起こせば良い?」

「やった!……えっとね、普通にチョンチョンッてしたり、後は揺らしたり頭撫でたりすれば起きる。後は、殴り掛かれば」

「随分と普通な…………そして最後のは何だ?…………まあ良いや。





起きろ、尊君。おい、起きろ〜」




頭をチョンチョンと叩いたり、肩を持ってぐらんぐらんと揺らしたり、頭を撫でたりする




「…………ん…………んん…………」

「あっ、夢の世界に光が射しかけてる!あと、あと少し……!」

「起きろ、尊君。起きろ、毒舌小僧君」

「ん…………ん………ぁ………」


____………駄目か?




なら、これなら起きるかな____





頭を撫でながら、顔を尊の耳元にやり



尊以外、誰にも聞こえない様な小声で囁く









__「起きろ、『黎明』君、目覚めの時間だ」____






「____………ッ……!?」





小さく呻き声を上げる



俯せで寝る為に使っていた左腕を頭の下から引き摺り出し、頭を撫でていた那美の手首をパシッと掴む




「………おっ?」

「あ、起きた。やったね!那美ちゃんやるぅ!ッて、尊は耳が弱いのかな?」




違う、耳が弱い訳ではない。其れで起きたのではない





『黎明』と呼ばれて、起きたのだ




当の呼んだ本人は、小さく笑みを浮かべている



手首を掴みながら、顔を机から上げる尊




「……僕の手を、離してくれないかな尊君?」

「ンだ手前…………勝手に起こしやがって……」

「ふふ、此処で寝るのが悪いのでは?そして早寝をしなかった君が悪いのでは?




おはよう、甕星 尊君。ほら、挨拶は?」

「……………はよ……」

「………………。





うん、口が悪い君は其れで許してあげる。けどちゃんと言おうね?尊君は口が悪い以外は良いんだから」

「チッ……」




ニコリと笑う那美に対し、超不機嫌な顔で舌打ちをする尊


手を離す





全員が此の光景を見て思う





____流石半年にも渡る生徒会長戦で3年生をさし置き、新しいトップの座を取った新生徒会長兼御嬢様……………強い!毒舌性悪御子息にも引けを取らないなんて……!____






生徒会長、強し



此の学校の生徒会は、普通の学校とは違う




教育方針から運営、其れ等の殆どを教務ではなく生徒会が仕切る事が出来る



そして生徒会長は、其の頂点に君臨する




謂わば、学校の支配者である






「………あ〜クソ………目覚め悪ィ……」

「と言いつつもちゃんと起きる尊。根はねぇ………マシなんだけどねぇ………うん」

「あとは口調さえ直せば、ね。まあ今更直されたところで気味が悪いが」

「ンだと?…………そうだ、那美。後で話がある。放課後一寸残れや」

「何、僕に逢引の誘いかい?………なんて、冗談冗談、先刻の事だろう?




真逆、其れで反応するなんてね。良いよ、話してあげる。放課後まで寝たりしなかったらね」

「「「???」」」

「………チ、しャァねェ、やってやんよ」




二人以外には疑問符しか浮かばない




「ん、もう29分か………随分と長くなってしまった。皆、席に座って」

「えっ?うわっ、本当だ、もうHR始まる!」
「座れ座れ!」




時計をチラリと見て、座れと呼び掛ける


ガタガタと、椅子の鳴る音がする









其の数十秒後、また扉の開く音がする




入って来たのは担任の女性教師





「おっはよ〜皆!此のクラスだけ凄い、って程じゃないけど騒がしかったよ?ちゃんと静かにしようね〜?



って、お、尊君が起きてるなんて珍しい。けど、紘人君はまた居ないと………」




非常にテンションの高い此の女性



此の楽しさ故に、生徒からも人気がある




「………起こされたンすよ」

「あらら、其れはお気の毒に」



ぼそりと呟く尊に、少し苦笑しながら返す先生





それから名簿を出す





「じゃ、出席取るよ〜」




………………………





「…………ハァ……」

____奴が、那美がブレイカーの事を知ってるなんて。




…………話を聞き出してやる。





…………寝ないようにしなくては____

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筆者:結城  読者:71  評価:0  分岐:0

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このストーリーの評価

結城 #0 - 17.09.03
( ・ㅂ・)و ̑̑

東方projectのにわかファン #0 - 17.09.03
面白い
また書いてもよろしいでしょうか?(ウズウズ)

結城 #0 - 17.09.02
有難うございます……!!

那美さんはクール且つミステリアスに………と。反面、妹の鈴鹿ちゃんは煩いですけどね!()
尊君は興味があるものには全力で突き進むので、寝はしなかったとさ………ちゃんちゃん←



此方こそ宜しくお願いします!

東方projectのにわかファン #0 - 17.09.02
すごく面白い☆
さすが、結城さんですね·····。超面白かったです!!
新キャラの天堂那美ちゃんもなんかミステリアスな感じで最高です!!
それに、続きが気になるような終わり方·····。
あれ、僕、いらなくね?←新キャラの出し方が雑·面白くない話·終わり方も雑·前の話と繋がりのないことが多々etc······

はい、にわさんのスーパーネガティブタイムは置いておいて、本当にとても面白かったです!!内容もこれからどう繋がるか、又は繋げるか考えるのが楽しくなるような感じで最高でした!!
これからもよろしくお願いします!!

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