歴史問題の正解(新潮新書) の感想
参照データ
タイトル | 歴史問題の正解(新潮新書) |
発売日 | 2016-08-26 |
製作者 | 有馬 哲夫 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 歴史・地理 » 歴史学 |
購入者の感想
ここで言う歴史問題とは、南京事件、ポツダム宣言受諾は無条件降伏だったか、原爆投下は必要だったか、尖閣諸島の領有権、に関わる話題の事であり、特にヤルタ会談から始まる戦争終結過程の叙述量が多い。著者の立場は、戦後の占領期にGHQにより行われた日本を無力化する政策の呪縛から、正確な史料探索によって本当に起きた事を再認識する事で脱するべきだ、という点にある。だから、思い込みや牽強付会な議論によって日本の主張を正当化したりするような物ではない。この立場から分かるように、上記の諸問題の著者による見解は、いずれも予想される通りであるから、その結論の当否は、もちろん引用される史料批判が正当性を持つかどうかにあると言えよう。その点に関して、特に反対するような理由は見受けられなかった。
著者の指摘するように、戦後教育を受けた身からすると、特に”國體”という概念は、なかなか何の事か分からず、どうも文脈からすると皇室が存在する事を言っているのだと理解するようになるまでずいぶんと時間がかかった。昨今の時勢を見ると、日本では國體は無事に護持されたように見受けられる。
著者の指摘するように、戦後教育を受けた身からすると、特に”國體”という概念は、なかなか何の事か分からず、どうも文脈からすると皇室が存在する事を言っているのだと理解するようになるまでずいぶんと時間がかかった。昨今の時勢を見ると、日本では國體は無事に護持されたように見受けられる。