現場ですぐに使える　アクティブラーニング実践 の感想

前著「アクティブ・ラーニング入門」で書かれている通り、小林先生のアクティブ・ラーニングは、先生が学ばれたコーチングやアクションラーニング、カウンセリング等の考えを含み、キャリア教育に携わられた経験から築き上げられたものです。現在他の多くのアクティブ・ラーニング関係の本は、筆者の実践から書かれたものが多いと感じますが、この本においては、教育界だけでなく、ビジネス界などで使われている理論や技法を取り入れて発展しているところが大きく違うところだと思います。
また、産業能率大学の編集プロジェクトが作成したとなっています。その為、小林先生のアクティブ・ラーニングの手法だけでなく、ビジネス書のように授業設計の方法や多くのアクティブ・ラーニングの手法の紹介、３２名の先生方の実践レポートが掲載されており、非常に参考になる内容となっています。反面、例えばジグソー法やワールドカフェなど、予備知識なしではわからない部分があり、あまりそういう活動に触れられておられない方は、勉強しながら読む必要があると思います（もっとも、そんな教員は最近ほとんどおられないと思いますが）。また、アクティブ・ラーニング導入の背景や、その理論が詳しく掲載されており、今後必ず必要になる知識だと思われます。
その為、この本だけをもってアクティブ・ラーニングを始めるのは、どうしていいのかちょっと途方にくれるのではないかと思います。なので、小林先生の前著「アクティブ・ラーニング入門」から読まれることをお薦めします。ただ、その後より深く技法を学ぼうとすれば、この本を読む必要は必ず出てきます。