ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) の感想
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参照データ
タイトル | ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | マルコ イアコボーニ |
販売元 | 早川書房 |
JANコード | 9784150503741 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 |
購入者の感想
「ミラー(鏡写し)のニューロン」、「ひとまね細胞」と聞いて、それだけでも直感的に「魅力的」だと感じて本書を読みたくなった。人が他人を魅力的に感じるかどうかの指標のひとつに、「他人になりきれる能力」があると思っていたからだ。
ひとまね細胞という言い方はもしかすると翻訳の妙というかちょっと言い過ぎで、人間には自身が動作するときに発火するのと同様に、他人の行動を見ても発火する細胞がある…そのミラーニューロンをどんな目的で人間は持っていて、かつどのような働きをするのか解明するためのさまざまな研究エピソードがわかりやすく紹介されているのが本書だ。
なぜ人の気持ちがわかるのか?/動作をマネする能力はそれ自体より「目的」を予測することにある!?/他人と自分の境目(友人の顔)/友達の多い子供とミラーニューロンの反応/CMに出てくる俳優と広告効果/自分で選んだ美人を忘れる/自閉症の子の行動を落ち着かせる確実な対処法?……ちょっと難しいところもあるけれど、エンタテインメントとしても十分に楽しめる内容になっている。
そしてピント違いかなと思っていたわたしのひとに感じる「魅力」についても本書の最後のほうでしっかり示唆されていた。このようにミラーニューロンが有名になったあとで、ある俳優がテレビで、「なぜ脳科学者は私たち俳優に確認してくれなかったのか、私たちはそのような能力があることを本能的に知っていたのに!」といったコメントをしていて、多いに著者たちは納得した、という下りがあるのだ。
人間は自分であるゆえに自分である!ような個人ではなく、社会集団のなか(他人に写した自分)でしか生きていない、といったことを改めて考えたりもさせられる本当にさまざまな示唆に富む一冊。
ひとまね細胞という言い方はもしかすると翻訳の妙というかちょっと言い過ぎで、人間には自身が動作するときに発火するのと同様に、他人の行動を見ても発火する細胞がある…そのミラーニューロンをどんな目的で人間は持っていて、かつどのような働きをするのか解明するためのさまざまな研究エピソードがわかりやすく紹介されているのが本書だ。
なぜ人の気持ちがわかるのか?/動作をマネする能力はそれ自体より「目的」を予測することにある!?/他人と自分の境目(友人の顔)/友達の多い子供とミラーニューロンの反応/CMに出てくる俳優と広告効果/自分で選んだ美人を忘れる/自閉症の子の行動を落ち着かせる確実な対処法?……ちょっと難しいところもあるけれど、エンタテインメントとしても十分に楽しめる内容になっている。
そしてピント違いかなと思っていたわたしのひとに感じる「魅力」についても本書の最後のほうでしっかり示唆されていた。このようにミラーニューロンが有名になったあとで、ある俳優がテレビで、「なぜ脳科学者は私たち俳優に確認してくれなかったのか、私たちはそのような能力があることを本能的に知っていたのに!」といったコメントをしていて、多いに著者たちは納得した、という下りがあるのだ。
人間は自分であるゆえに自分である!ような個人ではなく、社会集団のなか(他人に写した自分)でしか生きていない、といったことを改めて考えたりもさせられる本当にさまざまな示唆に富む一冊。