Black Radio Recovered: the Remix Ep の感想

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2月に出たアルバムのレビューで書いたように、元々ヒップホップ系のアーティストとの交流が
あったロバートグラスパーだけに、お約束のと言うと変ですが
そのヒップホップ系のアーティストによるリミックスアルバムを
出してくる辺り、アピールしている層というか聞き手が何を求めているのかが
よくわかってらっしゃる。
これもやはりそう来たかというピート・ロックによるリミックスの(2)や
ルーツ絡みの(4)はヒップホップリスナーにもしっかりアピール。

しかしアルバム全体の出来としては個々のリミキサーのカラーが強く出ているかというと
意外とそうでもなく、2月にリリースされたアルバムと雰囲気は大差無く
あくまでアルバムの延長線上にある作りで、リミックスと言うよりは
未発表曲集を聴いているかのようで、ロバートグラスパーの世界観は全く損なわれていません。
そこが良くもあり、もっと原曲から大きく離れたリミックスを期待していた方としては
ちょっと残念な部分でもあります。
（1）などはオリジナルに少し音数を増やし、ラップを加えただけのような至ってシンプルな出来。
曲と曲の間にインタールード的なものを挟んでいるのもヒップホップのアルバムではよくある手法で
その辺も多少ヒップホップを意識しているのかもしれません。
最後の(6)は自身による制作で未発表曲。
タイトルからして故J.Dillaに捧げる曲で、タイトルからディラっぽい曲を想像していましたが
思ったほどディラを意識した曲ではなく、ロバート・グラスパーらしい曲に仕上がっており
むしろ今回参加しているルーツの2年前のアルバム（"How I Got Over"）
に収録されたDillaTUDEの方がディラっぽい曲でしたね。

でもこの曲数だともう数曲は聴きたくなるかな。
いずれにせよ秋の夜長に実に心地よいアルバムです。