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東方アナザーストーリー 零次とライズの物語

ゲッター # - 14.05.09 01:00
■始めに注意事項です。
これは自分のオリキャラを総動員しての二次創作小説です。
そして、本家東方キャラの出演はほとんどないかもしれませんがごくたまにあったりします。
おまけにすごいフリーダムで荒唐無稽。
こんな小説ですけど、見てやってください。つまらなければ見なくても良いです(どうせ趣味ですしおおすし)^^;

それでは、開演です。
ぱちぱちぱち……

レスポンス


ゲッター # - 14.06.01 04:25
■第六話 ~二匹の龍~

 機械のコードが床を覆い尽くしている暗い空間に、佇む白金色の鱗に包まれた二足で立つ龍の目の前に立体視のモニターが現れて「データ受信完了」と表示された。
 それを見た龍は人差し指と親指で弾くように動かすと、いくつかのファイルが現れ、どれかの内一つを選んで開くと何処かの場所が現れた。
「ふーん、幻想郷か」
 後ろから声がしたので白金色の龍が振り向くと、そこに暗黒色の鱗に身を包む龍が腕組みして歩いてきて、白金龍の隣りに並んだ。
「レイズか、何故お前がここに来ている」
 その言葉にレイズという龍は少年のように微笑む。
「ん~? いやさ君の仕事を見に来たんだよ。それにさ、」
 言葉を途切れさせてレイズは殺気を凝縮した瞳で、それでいて笑顔で言う。
「プラチナムディザスタードラゴン、俺は大尉だ。できれば敬語で話して頂きたい。ダメかな?」
 そんなレイズにプラチナムは鼻を鳴らす。くだらないと言うように。
「フン、儂が敬語を使うのはあの御方のみよ」
「お方? ああ、ユニバースか。はいはいあの人ね……」
 レイズが馬鹿にしたように言った瞬間、プラチナムの鉄拳がレイズの目の前に飛んで来た。しかしレイズはそれを素早くガッと手で掴んで止める。
 そしてレイズはため息を吐いて、やれやれとした口調で言う。
「分かってるよ、ユニバース様、だろ?」
「分かればいい……。儂が信じるのはユニバース様のみだ……」
 心からユニバースドラゴンに慕うプラチナムに対して、レイズは内心で馬鹿にした言葉を言う。
(己の事実を知らずに忠誠を誓うか、愚かな龍だな。ユニバースはとっくに死んでいるというのに)
 
 ディザスター軍、最高司令官であるユニバースドラゴン。だが、彼は現在は死んでいる。
 なぜなら数年前に幻想郷攻略のためにそこに出向いたが、とある龍に倒されたからだ。

 そのことを知っているレイズは、何も知らないプラチナムに心の中で哄笑する。


ゲッター # - 14.05.16 02:06
■第五話 ~another~

 どこかの世界にある研究所の一室。
 室内の周辺には、コンピューターがいくつも置かれていて、床には書類が散乱していて足の踏み場がない。
 薄暗い室内を、モニターの光りがその場を照らし出していた。
 テーブルには飲みかけのコーヒーのカップが置かれていて、キーボードを叩く薄汚れた白衣を着た科学者がコンピューターに向かって作業をしていると、モニターに「SOUND ONLY」とデジタル文字が現れた。
「これはこれは【プラチナム】様、お久しぶりですね」
 科学者はモニターに向かって話した。
『挨拶はよい。それで【あやつ】の居場所は分かったのか?』
 その声はドスが聞いていて、思わず震えるほど恐ろしい。
 しかし科学者は動じない態度で会話を続ける。
「えぇ、今からそちらにソースを送りますから確認して下さい」
 科学者はキーボードを叩き、プログラムを立ち上げてからEnterキーを最後に押すと、モニターに「データ送信中」と表示された。
「それと私めの会社が製造した新兵器を【あそこ】に送り込みました。恐らくあなたの組織の【ゲート】をくぐり向かうでしょう」
『あのオモチャをか?』
「オモチャとは失礼ですね、まぁ一種のテストですからこれが成功すればあなたの組織にすぐにでも配備出来ます」
『それのテストを自分の所では行わずに【あそこ】で行うのか。まぁ期待はして置いてやろう』
「楽しみにしておいてくださいよ」
 通信は終わり、ブッとモニターから消えた。
 すると科学者はふん反り返って煙草に火をつけて咥えて吸い、口から煙を吹かした。
「所詮Bクラスの龍が、私の作った兵器を理解することなぞ無理だな」
 科学者は窓の方を見る。
 鉛色の空に、翼竜の群れが通り過ぎていくのを見届けた。


ゲッター # - 14.05.11 01:18
■第四話・~ルーミア登場! 危うし零次&ライズ【後編】~

 ~前回までの粗筋~
 
 ルーミアが
 零次に
 噛みついた

「粗い」
 零次は言う。
「ひどいですね」
 晴奈は微妙な表情で言う。
「ほっとけ!」
 ライズは怒鳴った。

 ~本編~

 零次の手に噛みついたルーミアは、次はどこを噛みつこう? と考えているらしく、彼の体をなめるように見る。
「女の子に見られるのっていうのは、嫌いじゃないがな……」
 噛みつかれている零次は、彼女の様子を注意深く見て言う。
 右手を見ると噛まれた傷は、もうカサブタを形成している。
 まったく自分の治癒能力の高さに関心せざるを得ない。この先どんな強敵が現れようとも、恐らく平気でいられるかもしれない。
「う……、体が熱い……」
 ルーミアの顔がほんのりと赤くなっているのに零次は気づく。
 それに目元がトロンとしていて、なんだかえろい。
「えへへ……、もっとあなたを……食べたいのだ~」
「な、なんだこいつは」
 突然の変わりように零次は驚く。
「しかも食べたいって、どういうことだよ!」
「ちょっと零次さん、女の子に何したんですか?! なんだかやらしい感じがします!」
 零次の後ろのギャラリーでは、晴奈は恥ずかしそうに顔を赤く染めて叫ぶ。
「俺は被害者だぞっ! 何勘違いしているんだよ??」
 困った顔で晴奈に抗議する。
「で、でもなんだか、いいかも」
 どこか納得した様子で晴奈は頷く。顔はまだ赤い。
「ちょっとぉ~? 意味わかんねぇぞ?」
「零次、俺は別にそういうのも良いかもしれんぜ? 話の展開的にな」
 ライズは親指を立てる。
「つかまえたのだ!」
 ルーミアの声と同時に零次に彼女は抱きついた!
 その衝撃でバランスを崩して、押し倒される結果になる。
 今の状態を説明すると、零次にルーミアが覆い被さっているという状態。
「く、」
 なんだかいい匂いがする。
 ミルクのような、少女の独特な香り。
 やばい。
 零次は起き上がろうとするが、それをよしとしないルーミア。
「なっ……、なんて力だ……!」
 男が女の子に力で負けていた。
 だがそんな零次など、今の彼女には関係がない。
 眉を下げた切ない表情でルーミアは言う。

「したいの」
 
 甘い声で。
「しっ、したい?」
 零次はどきっとする。
 やばいと思った。
 これ、なんてラブコメ?
 気づけば後ろのギャラリーはヒートアップしていた。
「いやん、零次さんが襲われている……。なんだかエッチです」
「おい、そこまでにしておけ。これから先は発禁食らいかねんぞ?」
 なにが?
 零次は目の前の大胆な少女の行動や、勘違いしている二人にもう混乱していた。 
 やばいやばい、このままではこのルーミアに自分は『食べられてしまう』。
 それはまずい。
 いろんな意味でまずい。
「な、なぁルーミア?」
 震える声で言う零次。
 お互いの鼻と鼻の先がくっつく距離だ。
「ん~、なぁに? お 兄 ち ゃ ん?」
 お兄ちゃん。
 その言葉が可愛らしくてくらっと来る。
 でも、ダメだ。この先は。
 零次は欲望を全て胸の中で押し込んで、それを叩きつぶす。
 
 目が覚めた。
 
 そして零次は言う。
 自分を好いてくれた女の子に。

「ごめんな」
「え?」
 
 次の瞬間、零次は腰の蒼天の剣に手をかけて、
 
 ドゴッ!

 短い悲鳴の後、ルーミアは飛んでいき、背中から落ちた。
 ゆっくりと起き上がる零次。
「零次さん!」
 晴奈は零次の所に駆けてきて、
 その頬を平手で殴った。
「っ!」
 零次は殴られた頬に手をあてる。
 突然の事にライズは息をのむ。
「せいな……」
 なんで殴られたのかが分からない。正当防衛のはずだ。
 あのままでいけば、自分は彼女に食われていた。
 そうだろ?
「女の子に手を上げるなんてサイテーです」
 ひどく冷たい言葉を浴びせる晴奈。
「……相手は妖怪じゃねぇか」
 ぶっきらぼうに零次は反論する。
「零次さん、もっと他に方法があったはずです。なんで暴力で解決しようとしたんですか?」
 彼女の言葉に零次は。
 ルーミアを見る。そのみぞおちに軽いへこみができていた。
 あの時零次は蒼天の剣の柄の頭で、ルーミアのみぞおちめがけて突いた。
 その衝撃でルーミアは吹っ飛び、そして伸びたのだ。
「……」
 零次は倒れているルーミアの下に歩いて行く。
「零次さん?」
「おい、零次」
 二人も彼の後に付いていく。
 そして、零次はルーミアを抱きかかえた。哀れみの眼差しを彼女に向けて言う。

「ごめんな」

「零次さん……」
 彼の言ったその一言で、晴奈は零次を許してあげようと思った。
 ライズはやれやれと肩をすくめる。
 
 日は傾き、夕方。
 金星が夕の空に現れていた。


ゲッター # - 14.05.10 22:07
■自分で感想でも言ってみる②

 第四話にしてようやく東方キャラ登場ですね。
 いや~ルーミアはいろいろと動かしやすくて助かるキャラだと思いますね。あはは…。
 とりあえず説明文が多いかもしれないから、テンポ良くしようとセリフも多めにしてみました。
 長くなりそうなので、今回は前編ですね。
 この調子で他の東方キャラも出していこうかな?

 以上、ゲッターの独り言でしたノシ


ゲッター # - 14.05.10 22:03
■第四話・~ルーミア登場! 危うし零次&ライズ【前編】~

「ライズお前どこ行ってたんだ?」
零次は呆れ声でベッドから下りる。
「のんきにベッドで寝てる場合じゃねぇぞ! 戦闘開始だ零次!」
急かして言うライズに零次は怪訝な表情で言う。
「なに言って……」
 いきなり轟音でドアが吹き飛ばされた。
 そしてそれにぶち当たり零次はひっくり返る。
「零次さん!?」
 口元を手で押さえて、驚愕の表情で晴奈は叫ぶ。
 ドアがぶつかってただで済むはずがない。
 だがしかし。 
「痛ってー!!!」
 零次は鼻をぶつけたらしく鼻血が出た。
「嘘……?」
 晴奈はあり得ないものを見た表情で、彼を見ている。
 そして零次がその鼻血を袖で拭うと、鼻血は止まっていた。
「鼻血が消えた……? それに体は大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫だ。俺はさ、生まれつき体が頑丈なんだよ」
 そう言ってニッと笑う零次。
「早くしろ零次!」
「分かったよ!」
 ライズに言われて、零次は外へと出る。
「……」
 晴奈はその後ろ姿を見ていた。

 零次とライズは表に出ると目の前には、妖怪が立っていた。
 そいつは黒い服装に身を包み、金髪のボブには深紅のリボンが付けている。
 夜に出くわしたくない妖怪の筆頭候補のルーミアだった。
「なんだ? お前は」
 ルーミアは赤い目をぱちくりとさせて目の前に現れた人物に言う。
「たしか、ルーミアっていうんだっけ? というかさ、ライズ。なんで妖怪なんか連れてきたんだよ」
 零次は換金所の店主からもらった本を開くと、即座に一ページ目に彼女のデータが自動的に現れた。
「しらね。ただ、黒い丸い塊が現れてさ、いきなり襲いかかってきたんだ」
「おいしそうだから、おいかけてきたまでなのだ♪」
 可愛らしく笑みでそう言うが、それは結構怖い。
「妖怪だから退治しなくちゃいけないのかな……? 話し合えば分かるかもしれない」
 無駄な殺生は無用だと考えた零次は、彼女に歩み寄る。
「零次さん危ないわ! その子は人食いなの!」
 晴奈は家から出て、ライズの隣に来て叫ぶ。
 しかし零次は聞いていない。
 そして、零次はルーミアに手を差し出して言う。
「俺は、お前と戦う気はない」
「危ねーぞ、多分。見境なくそいつは目の前の奴を食うみたいだし」
 じと目でライズは零次に警告。
「え?」
 零次の表情は固まり、そして汗が大量に噴き出す。
 おそるおそる手を見ると、手にはルーミアが噛みついていた。
 彼女は笑顔で口を租借する。
 噛みつかれた零次の顔がぐにゃりと歪み。
 そして。
「うっぎゃああああああああああああああああああ!!!」
 激痛で零次が叫び声を上げた。
「離せっ! このっ!」
 腕をぶんぶんと振り回して零次は噛みついているルーミアを振り払う。
 
 すっぽーん!

 ルーミアはとんでいき、両腕を広げたままのポーズで地面に降り立つ。
「む~、もうちょっとでかみ切れるところだったのに……」
 口惜しそうに零次の方を見て言うルーミア。
「ふざけんなっ! 俺の手は食いもんじゃね―!」
 三白眼にして怒鳴る彼にライズが歩み寄ってきて、その肩をポンポン叩く。
「俺もやられたから」
 零次は見ると、ライズのしっぽがかけているのを見て、青ざめる。
「マジで?」
「まじ」
「そいつは特においしくなかったわ」
 ぶーと頬を膨らませて怒るルーミア。
「だからさ、零次……。このがきんちょに関わったら、食われちまうぞ?」
「だから逃げ込んできたのか」
 零次はさっきのライズの行動に合点がいく。
「その羽の生えたトカゲはおいしくなかったけど、さっき噛みついたお前はおいしそうだから、もっと味わいたいな……」
 舌をなめずりしてルーミアは、零次を見て言う。

 これは逃げられそうにないな。
 零次は長い戦いになりそうだと思った。


ゲッター # - 14.05.10 18:44
■第三話・~少女の再会…?~

 山道は朝日に照らされていて草は青々と茂っている。
 妖怪退治の晩から朝になり、零次一行はいろいろな疲れを癒すために宿を探して歩いていた。

「うだ~……」 
 零次は寝ていないせいかフラフラしている。背中に掛けている『八卦砲』がズシリとのしかかる。
 ライズは先頭を歩いていて、時折彼に振り向いていた。
「大丈夫か、零次?」
「……ああ、大丈夫だ問題ない。これくらいな」
 零次は笑みを見せているが、どう見てもいっぱいいっぱいの様子。
「零次は体がいくらタフだからって、無理はするもんじゃないぜ?」
 ライズは呆れて言う。
「だ、だいじょぶ……」
「しかたねぇな」
 強がりを見せている彼のために、ライズは休憩ができる場所を探そうと、背中の翼をバサリと広げる。その風圧で木の葉が舞った。
 だがしかし。 
 疲れが限界に達したのか。
「あ、もうだめ」
 バタンと零次は倒れてしまった。
「れっ、零次!?」
 ライズは広げていた翼をしまい零次の所に向かう。
『! ……ッ!!』
(ライズ……、なにいってんのかわかんねぇよ……)
 自分の頭上でライズが喚いているが、疲労困憊の零次には聞こえず、やがてその意識はどんどんと薄れていった……。


「!」
 何故か零次はベッドの上で目覚めた。
 ガバッと起き上がり、周りを見渡す。
 質素な調度品が並ぶ中、一際目立つのが机だ。その上には試験管立てがあり、試験管にはカラフルなビーズのようなものが詰まった試験管が何本かセットされている。そのほかはビーカーにアルコールランプ。
 まるで科学の実験でもするかのようだった。
 それをさておき、どうやら誰かの家の中だと分かった零次。
「アレ、ここどこだ……? 確か俺は山で、」
「気がついたんだね」
 声のした方に向くと、女の子が紅茶のカップを乗せた盆を両手に持って立っていた。
 髪は若草色のセミロングで瞳は緑。ゆったりとした明るい色調の服装を身につけている。
「俺は、神名零次だ。君は?」
 彼女に聞く。
「え?」
 少女は目を丸くした。
「いま、なんて言いました?」
「え、いや俺の名前を言ったんだよ」
「ごめんなさい、もう一度だけでいいから言ってください!」
「かみな、れいじだけど」
 その一声で彼女の表情はぱぁっと明るくなる。
「あたしは柊晴奈(ひいらぎせいな)、あの、覚えてませんか?」
「いや、初対面だと思うけど……、何処かで会ったかな?」
 晴奈の淹れたティーカップの中の紅茶を飲みながら、零次は思い出してみたが、この女の子とは会ったことが無かったような気がする。
だが、そんな彼を、晴奈は知っている。
「ほら、昔に私が小さい頃、妖怪に襲われた時にあなたが助けてくれたじゃないですか!」
 晴奈は一生懸命話しているが、どうにも零次は思い出せない。
 自分たちは妖怪退治屋。
 だから妖怪から襲われている人を助けるのは茶飯事である。
 思い出してくれない彼に、晴奈は困ってしまう。
「ん? そいやあいつどこ行ったんだろ?」
「え?」
「あいつって言ってもわかんねぇよな、龍だよ相棒のな」
「それって……」
「零次! 大変だ!」
 件のライズが玄関の扉を開けて駆け込んで来た。


ゲッター # - 14.05.09 16:53
■とある少女の昔話

 彼は、あたしを救ってくれた。
 
 それだけが心に残っていた。
 
 突然、村に現れた得体のわからない妖怪達。
 草木も眠る夜中だった。
 彼らは村を襲撃し、略奪を次々としていく。
 
 まだ幼いあたしを守ろうとした家族を妖怪は殺し、村の人を全部遊び殺した。

 あいつらはあたしを、辱しめて、貪り喰おうとした。
 だけどね、それは叶わなかったの。
 一筋の一閃の煌めきと轟音。
 それだけがあいつらの動きを止める。
 そして疾風のように現れた彼によって、妖怪達は生き絶えた。
 
 一匹残らず。

 あたしは突然のことに呆然としていた。

『大丈夫か?』
 ぼろぼろのあたしに手をさしのべる彼はすごく優しい手をしていた。
 あの温もりは、恐怖していたあたしを救ってくれた……。
 
 夜が明けて、死んでいった村の人達や、あたしの家族を、彼と一緒にお墓を作った。
 そして、あたしと彼は手を合わせて目を閉じて冥福を祈る。
『もう、行かなきゃな』
 彼が立ち去るとき、あたしは手を向けて名前を聞いたの。
 
 かみなれいじ
 
 あの人はそう言った。 


 あれからもう、十年経つんだね。
 あのときの胸の傷は癒えてない。
 村だって無くなり、家族との思い出も消えてしまった。
 けれど、苦しいときや悲しいとき、あたしはまた会いたいと願うときがある。
 あの温かい手を持つ彼に……。


ゲッター # - 14.05.09 02:06
■自分で感想でも言ってみる①
  
 とりあえず1話終了です。
 自分で思うけど、結構読みづらいかも;
 友人から、普段自分の書いた小説は「説明文ばかりで、場面や風景描写も下手くそだ」と評価されているから、正直そこら辺を上手く書けたらと思いますね、はい。

 感想は終わりですけど、物語はまだまだ続くんじゃよ……。

4 件のレス

ゲッター # - 14.05.09 02:53
■第二話・~こちら側の妖怪退治のルール的な~

 妖怪を退治した零次&ライズは、その死骸を麻袋に詰めてからとある場所へと向かう。こういうものは『鮮度』が命。さらに今の季節は夏へと移行しつつあり、刺身なんかは買ってきたらすぐに冷蔵庫だ! と言うことをライズは喚いている。
 魚は余り食さない幻想郷で生きる零次には、あまり馴染みのない言葉で、首をかしげていた。

 二人組の足は、とある林に忘れ去られたかのように建つ小屋の前で止まる。
 独自の『合い言葉』なるパスワードが施されているドアで、零次はそのパスを入力(ドアのノックの回数がパスコード)して、自動でひらくドアをくぐり、深い深い階段を下りていった。

 二人が階段を下り終えたら、頑丈なドアが待ち受けている。そしてそれを開いて入ると、広い部屋へと出た。
 部屋の中は、カウンターが置かれていて、およそ店内(かろうじて)だと分かる造りになっている。
 しかしその店内はかなり薄暗く、明かりと言えば部屋にぶら下がるシャンデリアに似た古い照明器具で、その明かりは頼りない。なので、その補助として燭台の蝋燭による明かりでカバーしている。これのおかげで、足下は見渡せる程度の明かりにはなっていた。
 
 二人は慣れているものの、どうしても好かない店内の臭い。
 それは血の混じった異臭が辺りに漂っていたからだ。

 よく目をこらしてみると、カウンターの背後に様々な檻が並んでいる。その中ではおぞましい声が聞こえてきて、BGMのようになっていた。
 カウンターには一人の老人が店番をしている。この店の常連の話によれば彼は妖怪と人間の雑種らしく、その年齢は計り知れない。
 因みにこの店のオーナーだ。
 店主は気づく。
 客だと。
 カウンターの前には、全身傷だらけの零次とライズが仏頂面で並んでいた。ライズは龍と言っても、成人男性よりもやや低い身長をしている。

「なんじゃ零次にライズ、そのナリはよ?」
 店主は笑いながら二人に言う。
 彼らもここの常連客だ。
「なんでも無い・・・」
 零次はプイっと右を向いて言う。
 そんな機嫌の少々悪い零次を無視するようにライズがしゃしゃり出た。「いやさぁオヤジさんよ、俺が妖怪を倒したのを妬んでるだけだから」
 ライズは笑いながら店主に言った。
 二人は店主のことを『オヤジ』と呼んでいる。
 このネーミングは、店主にとってはいやな気分になるものではなく、むしろ受け入れている様子だ。
「あれは元々俺の獲物だったんだよ!それをお前は横取りしやがって!」
 零次はライズの頭を押さえつけて、うなる。
 だがライズも負けじと反論。
「はぁ?何言ってんの。大体お前はのんきに剣を出してさぁ、攻撃食らってたかも知れねぇんだぜ!?」
 零次とライズは目から火花を散らしながらまるでヤンキーが睨み合う様に睨み合っていた。
 メンチビームが飛び交う中、店主は言う。
「んでその下らん見つめ合いは止めにして、出して貰おうとしようかの?」
「……分かったよ、ほい」
 零次は相棒と睨み合うのを止めて、店主にあの麻袋を投げて寄越す。
 受け取った店主は、それを紐解く。
 中身は先ほどの戦闘でおろした妖怪の死体が入っているはずだ。
 店主は早速妖怪の『鑑定』を始めた。

 零次とライズがいるこの店は、『換金所』と呼ばれている施設だ。零次とライズを始めとした、この店の常連客が行っている『妖怪退治』とは、『博麗の巫女』や『白黒の魔法使い』が、異変解決の妖怪退治とはほぼ別物である。
 彼女達がする妖怪退治は、倒す妖怪をスペルカード、別名弾幕ごっこと称した試合形式という『代理決闘』で行う。
 しかし、零次&ライズ達が行うのは、本物の決闘であり、その果ての決着は生死を問わないという。
 そしてこの換金所の目的は、客が妖怪退治によって得た『獲物』を価値などを調べてその相応の報酬を、客相手に払うという施設なのだ。
 なお、この施設は完全に隠匿であり、あの『博麗の巫女』や『妖怪の賢者』も知らないのだ。


 数分後、鑑定は終了した

「で? どうよ」
 零次は店主に聞く。
「これじゃ」
 店主はすぐ隣りのレジを開けて、紙幣を一枚と貨幣を三枚渡した。
 その価値は外の世界で言うところの一万三百円ほど。
 どう考えても低い。
 納得いかないので。
「こ……これだけ!?」
「うわっ! 少ねっ」
 受け取った零次と後ろから覗いたライズが同時に叫んだのだ。
 そんなガッカリ状態の二人に店主は言う。
「状態は良いんじゃが、価値その物が低いんじゃよ。てかそんな妖怪駆け出しの妖怪退治屋でも狩らんぞい?」
「そ、そーなのかー」
 ライズはどこぞの闇使いの妖怪少女のセリフを言った。
 店主は呆れた顔しながらカウンターの引き出しを開けて、一冊の黒いカバーの厚い本を零次に渡した。
「なに、この本……」
 受け取ると、かなり重くてずっしりとしている。大きさは辞書ぐらいはある。
 無知な表情をしている零次に店主は叫ぶ。
「なんじゃ知らんのか!? この本知らんでよく妖怪退治屋とほざけたもんじゃの!! この本はな、この幻想郷にいる全ての妖怪のデータが記されてる本でな、新種の妖怪が現れた時は自動的に更新されるスグレモノなんじゃよ」
「うへ~そりゃ便利だこと」
 ライズは人間の里に暮らしているという名家の少女の記した、『幻想郷縁起』を思い出していた。
 しかし、そちらよりも零次の手にしている方のがかなり得体の知れないブツだと分かる。
 だが、自動更新されるともなると、機械仕掛けの『式神』並に便利である。
 ライズは零次からその本をひったくり、パラパラと捲ると鑑定に出した妖怪が出てくる。
 それを見て、愕然の色を示す。
「確かに……コリャ価値が低過ぎだわな」
 苦笑いしてライズは言った。
「じゃ渡したからの有効に使えよ零次」
 店主は本の代金は良いと言う。
 
 そうした後、零次とライズは換金所を後にした。

 外に出ると朝になっていて、朝日が零次とライズを照らした。


ゲッター # - 14.05.09 01:49
■第一話・~妖怪狩り~

 この話は霊夢達が活躍しているその一方で起こっていた話。

 月光が照らす草原の中で、二人組の影が一体の黒い影を追跡していた。
 ザザザザザッ!
 草むらを高速でかき分ける音。
 そしてそれを追跡する足音が二つ。
 夜空の下で走る二名は、追尾するそれを追い詰めたかに見えた。
 しかし。
「「!」」
 黒い影は突然と逃げるのを止めて宙に飛び上がった。
 満月をバックに浮かび上がるシルエットは、まさしく妖怪。狐に似た鋭い眼光が、追っ手の二者を睨み付ける。
 満月の光に照らされた妖怪は、狐と狸を合わせて、二で割ったような姿をしていた。
 そして、そいつは滞空した状態で宙でくるりと回転して、地上に立つ二人組に牙を剥く。

「くるかっ! ライズやるぞ!」
「オウッ、零次!」
 妖怪を追っていた二組の一人である青年は、月光に照らされて蒼く光る刀を構える。
 その名は『蒼天の剣』といい、かの有名な『楼観剣』に匹敵する殺傷能力を持ち、刀身が淡い蒼色に光るのが特徴で、さらに魔力を加えることで身体能力を越えた戦いが可能でありまさに業物と呼べるものだ。
 もう一人は、正確には人の姿ではない。全身に柔らかい皮膚ではなく、鋼鉄よりも硬度の高い蒼い鱗が生えそろい、その背中には翼が生え、尻には長いたくましい尻尾が生えていて、ファンタジーにでも出てくるような二足歩行の龍はすでに臨戦体勢を取っていた。

 彼らは、妖怪退治屋を食う手段として行う二人組(チーム)だった。
 青年の名は神名零次(かみなれいじ)そして竜人はライズと言う。

「ギイィッ!!」
 妖怪はひと味違うプレッシャーを、標的から感じ取り、変化を開始した。それほどの実力があると見えたのだろう。その体内に流れる妖力は、激しい流れと共に放射線状に拡散する。
 妖怪の背中の毛皮は、毛が次々と逆立っていき、それは瞬時に高質化する。その姿はまるでヤマアラシであった。
 その後体を丸めることにより、針が無数に生えたボール状態の妖怪は、
ライズの方ではなく、零次の方へと矛先を向ける。
「なるほど、ライズよりも脆そうな俺を狙うのが得策と考えたか」
 不敵な笑みを浮かべた零次は蒼天の剣の柄を強く握る。すると、彼の体内の魔力が柄を伝わり、刀身に帯びる。
 この状態ですでに中型の妖怪は屠れるだろう。
 だが、そんな零次など眼中にないライズは叫ぶ、技名を!
「鎌鼬烈破(かまいたちれっぱ)!」
 両腕をクロスして、ライズは真空による鎌鼬を作り出し、それを零次に飛びかからんとする妖怪に向ける。コントロールされた鎌鼬は、ラジオコントロールの玩具のように動き、
 その瞬間、
「グギャッッ!!?」
 瞬く間に妖怪の針の鎧をたやすく貫通して、そいつは地面に生肉を床に叩き付けるような音と共に地面に落ちて、切り身のようにバラけた。

 それを見た零次は剣を苦笑いで、魔力をカットし、変哲もない刀にした後それを鞘に仕舞ってから、勝ち誇るライズの所に歩いて行く。
「ライズぅ……」
 その相貌は怒りに燃えていて、ライズは「んあ?」っとマヌケな一声を上げた後、彼はその頭を思い切りはたいた。
 
 ばちこーんッ!
 
 いい音が静寂に包まれた夜空に響き渡る
 その後もう取っ組み合いのケンカへと発展した。
「俺が仕留めるはずだったのにこの馬鹿ライズが!」
 零次が右手でライズの頬をぶん殴る!
「うるせぇ! お前が遅いから俺がやったんだろうが! 感謝しやがれッ!」
 ライズの鉄拳が零次のみぞおちにヒットするが、体が生まれながらに頑丈な彼には、余り聞いていない様子。
 
 二人は仲が良い。
 だから、こうしてケンカができるのだ。
 


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