インヘリタンス 果てなき旅 上巻 (ドラゴンライダーBOOK4) の感想

第一巻エラゴンを手にしたのは小学生の頃だった。
そして約８年がたちこの物語りの完結を迎えることができた。
どの物語りも終幕には寂しさは付き物であるが、このシリーズには今まで出会った他の作品以上に寂しさを感じた。

内容は、前作直後の新しい街の制圧からはじまりシリーズ中にちりばめられた伏線を回収しながら王との最終決戦まで一気に進んでいった。
まだまだ未熟なエラゴンが王との戦いまで進むのにやや早足な気もしたがそれぞれの登場人物の成長もしっかりと感じることができた。
全３作の伏線もつぎつぎ回収していきがこれまでの話が一本に収束していったが、読み返すことでまだまだ新しい発見がありそうだ。
この作品の魅力の一つの登場人物同士のつながり、想いにも目も離せなかったが最終巻では特にその登場人物同士の想いが強く表現され強いつながりが感じられた。
そして戦いが終わり物語りの終わりに向かいこれまでの人物、新しく登場した人物へと最後の最後まで気持ちが繊密に綴られ激しく気持ちを揺さぶられ涙がこぼれるほどであった。

今まで出会った作品にも感情を揺さぶられるものも多くあったが、個人的にはこれほど終わってしまうのが寂しい作品にであったのは初めてだった。
著者のパオリーニ氏もまたこの世界に戻ることを示唆していたのでぜひ期待したい。

最後にこのすばらしい作品に出会えたことを誇らしく思う。
心からおすすめできる作品だ。
最後までこの世界に浸らせてくれた著者のクリストファー・パオリーニ氏、訳者の大大嶌 双恵さんに心から感謝したい。

そしてこの世界に戻れることを首を長くして待ちたい。