はやげん! ~はやよみ源氏物語~ (ウィングス・コミックス) の感想

本に挟まっていたお試し本を読み、絵が綺麗なのと源氏物語を大雑把に知りたかったので購入しました。

中身はギャグを交えながら源氏物語の筋書きのみがなぞられています。
あくまで「物語を知る」本であり、源氏物語の美しい情景や当時の複雑な男女関係、恋の物語について詳しくは触れられていないのでそこは注意かもしれません。
が、逆にそういうところに触れないおかげで本当に「源氏物語ってこんな物語だったんだ！」と知ることができ、満足しています。

特に絵が綺麗で、源氏物語の要である女性たちがとても美しく、描き分けも見事です。
登場人物を覚えるのが苦手な私でしたが「あれっ、これ誰だっけ？」となることなく、最後までスルッと読むことができました。

巻末55ページほど宇治十帖(うじじゅうじょう)という光源氏亡き後の次世代の子達の物語も載っており、華々しい源氏物語とは少々違った、二人の主人公の葛藤が描かれておりビターな仕上がりでこちらもスラスラと読むことができました。

源氏物語を大雑把に知りたい、源氏物語に興味があるけど難しそうと思っている方には是非おすすめします。

さて、値段が1,050円ということで手を出しづらいと思う方もいらっしゃると思いますが、この本は199ページで厚さ約1.5cmあり非常に読み応えがあります。
しかも巻の真ん中にカラーページが4ページあり、源氏物語の魅力である美しい十二単を着た女性を拝むことができます。
とてもデザインにこだわりを感じ、ため息が出るほど美しいです。

なので私はこの値段は妥当と思いました。参考までにどうぞ。

最後に一言。源氏もげろ。