ルネサンスの歴史 (上) (中公文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルルネサンスの歴史 (上) (中公文庫)
発売日販売日未定
製作者I.モンタネッリ
販売元中央公論新社
JANコード9784122011922
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » イタリア史

購入者の感想

主な著者は、イタリアを代表するジャーナリスト、知識人のモンタネッリ氏です。
イタリアではモンタネッリ氏自身に関する研究書も数多くかかれているほどで、
すでにイタリアを代表する歴史上の知識人という位置づけが与えられています。
同書は氏(と1人の共著者)による23巻におよぶ浩瀚な『イタリア史』の中の第3巻の翻訳で、
この『イタリア史』は同国で最もよく売れたイタリア史の1つといわれています。
イタリアの歴史を、面白く簡単に、一般的なイタリアの人びとに
伝えたいという趣旨で書かれたもので、実際に思わず吹き出してしまう文章がいくつもあります。

『デカメロン』に代表される「ノヴェッラ」の文体を
歴史記述にとりいれるという挑戦に、本書は成功しており、
それが本書のイタリアでの成功へ導く一因ともなったのでしょう。

しかし著者は歴史の専門家ではないので、
細かい部分で現在では採用されていない記述があったり、
面白くするために史実か創作かあやしいエピソードが
取り込まれたりしている、という点があります。

しかしそれでもなお同書にはまだ読む価値はあると思います。

13、14、15世紀のイタリア半島を舞台にする
様々な諸権力、バティカン、皇帝、諸都市国家、
フランス、アラゴン、イギリスの王権、ビザンツ
が複雑にからみあう様子が見事に描かれているからです。
特に英米系の書物では敬して遠ざかる
傾向があるバティカンについて十分な記述のあることは、ありがたいです。
その全体像ももちろんすべて正解というわけではないでしょうか、
そういった大きな視点の重要さに気づかせてくれるだけでも意味があるといえます。

また個々の歴史的事件に関する判断については、
なまじっかなアカデミズム的実証主義にはおよびのつかない
鋭さがあり、いずれも傾聴に値します。

また氏はある意味、20世紀における、代表的な、
トスカーナ精神の体現者、といってよいと思います。

モンタネッリの「イタリア史」シリーズのルネッサンス版の文庫化です。          非常に面白く、かつ分かりやすく書かれているので、初心者向きの本としてお奨めできます。     とりわけ本巻は、フリードリッヒ2世の死からコロンブスの「アメリカ発見」までの興味深い時代をあつかつているので、誰にでも楽しく読める作品となっています。
    ローマ教皇庁の醜い権力争いから、ミラーノのヴィスコンティ家とスフォルツァ家の政権交代、ナーポリの素敵な女王たちの治世を経て、コンスタンティーノポリスの陥落に至るイタリア世界の歴史を十分に堪能することが出来ます

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ルネサンスの歴史 (上) (中公文庫)

アマゾンで購入する
中央公論新社から発売されたI.モンタネッリのルネサンスの歴史 (上) (中公文庫)(JAN:9784122011922)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.