大腸癌取扱い規約(第8版) - 9784307203142
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参照データ
タイトル | 大腸癌取扱い規約(第8版) |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 金原出版 |
JANコード | 9784307203142 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » がん・腫瘍 |
購入者の感想
31ページ、7.5 「浸潤距離の測定法」が意味不明です。注1に「「走行が同定または推定可能」とは、SM浸潤による「変形」、すなわち走行の乱れ、解離、断裂、断片化などがない粘膜筋板を指す。」とありますが、特に、「乱れ」のない粘膜下浸潤癌などほとんどないのではないでしょうか。図7(1)には、粘膜筋板が太線でどっしりと描かれているものの、その下に癌が浸潤している様が描かれていますがこのようなことは稀であると思います。その結果、ほとんどの粘膜下浸潤癌の「浸潤の深さ」は図7(2)のように計測されることになります。本書だけを読んでいるとそうとしか解釈されませんが、実は密かに補足があり、同じ出版社の「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2014年版」50ページに「粘膜筋板周囲にdesmoplastic reactionを伴うものを「変形あり」と判定する」との記載があります。これを読んだとしても実際に「変形」の有無を判断することが困難であることは措くとして、参考文献の記載もなく他書に補足が記載されているのはどうなのでしょうか。序文によれば、「規約とガイドラインは2冊揃えて当然である!」というのが研究会の方針であるかもしれませんが、すべての施設が職員の望む書籍をどんどん購入してくれるわけではありませんし、消化器内科外科以外の「診断」関連部署に「治療」ガイドラインが必ず備えられるとは限りません。「治療ガイドライン」の50-52ページの内容は、「治療」よりも「診断」に関する内容であるので、「治療ガイドライン」ではなく「取り扱い規約」に掲載すべきです。既に昆虫のように膨大な種類がある”ガイドライン”の記載を根拠に、関係者が各種の断罪を受ける場合が今後は増えると予測します。”ガイドライン”の持つこのような恐ろしい側面についても意識した上で、「規約」「ガイドライン」をお取り扱いいただきたいものです。