紳士の言い逃れ (文春文庫) - 9784167588199
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参照データ
タイトル | 紳士の言い逃れ (文春文庫) |
発売日 | 2013-08-06 |
製作者 | 土屋 賢二 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167588199 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » た行の著者 |
購入者の感想
土屋先生を『われ笑う、ゆえにわれあり』の頃から継続的にフォローしてきた目でいうと、本書はこれまでの佳作群に比べても、かなり異質な仕上がりだと思う。だましのレトリック、見え見えの詭弁、気の毒なほどの押しの弱さ、不戦敗続きの女性陣との駆け引きなど「土屋節」の重要な笑いの要素が少し後景に引き、とくに後半などはノーマルで淡々とした普通のエッセイになり始めている。
週刊文春の連載「ツチヤの口車」を編んだものなれど、掲載分は2011年3月24日号以降の由。そんな事情は分かるし、なかには「政府・東電とわたしの類似点」(51頁)のような軽快でシャープな項もあるが、その辺り以外はどことなく勝手が違うような印象が残った。白内障手術の体験を記した項(192頁縲怐jなど、むかしの土屋先生ならもっと違った書き方をされたのでは、とわずかながら残念。「苦悩の年金生活」に入られたがゆえの加齢現象ではない、と信じたい。
週刊文春の連載「ツチヤの口車」を編んだものなれど、掲載分は2011年3月24日号以降の由。そんな事情は分かるし、なかには「政府・東電とわたしの類似点」(51頁)のような軽快でシャープな項もあるが、その辺り以外はどことなく勝手が違うような印象が残った。白内障手術の体験を記した項(192頁縲怐jなど、むかしの土屋先生ならもっと違った書き方をされたのでは、とわずかながら残念。「苦悩の年金生活」に入られたがゆえの加齢現象ではない、と信じたい。