Orientalism (Penguin Modern Classics) の感想

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参照データ

タイトルOrientalism (Penguin Modern Classics)
発売日販売日未定
製作者Edward W. Said
販売元Penguin Classics
JANコード9780141187426
カテゴリ洋書 » Subjects » History » Asia

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購入者の感想

かつて「オリエンタリスト」を勝ち誇って自称していた連中は、本書の刊行を受け、一斉にこのカテゴリーから逃げ出した。まるで底に穴の空いた船から鼠の群れが逃げ出すように。

続篇『Culture and Imperialism』において、コンラッド『Heart of Darkness』ディケンズ『Great Expectations』デフォー『Robinson Crusoe』などがそうであったように、本書を読むに先立って、読んでおくべき一連の書物がある(フローベール『ブヴァールとペキュシェ』『紋切型辞典』は非常に重要、可能ならば『聖アントワーヌの誘惑』ネルヴァル『東方紀行』『火の娘たち』なども)。
本気で取り組むつもりなら、これらの準備も行うのがいいだろう。

さて、オリエンタリズムといっても、サイードの議論は中近東、つまりアラブ世界に集中しており、インド、中国、ポリネシア、日本を含む極東などへの言及は制限されている。
トリミングされて消えた「影絵」のうち、私は「日本の影」の大きさを感じてしまう。本書のオリエンタリズム論は、日本を考慮に入れると、すんなりと進まなくなるからだ。

植民地化を経ることなく独立し、西洋文明を輸入しつつもヨーロッパ芸術に対して直接的な影響を与え、列強との総力戦を非西洋国家として初めて対等に行った(日露戦争での日本の勝利がアラブ世界にとって極めて大きな衝撃であったことは、サイードの師であるイクバール・アフマドも強調している)。

これらはいずれも、サイードが繰り返して述べている「オリエンタリズム」の諸要素から、逸脱しているように見える。
「オリエント」という多様体のなかで特異点のように振る舞う「日本」を、内包しようとすれば定理が複雑になる。

であるならば本書は、オリエンタリズムという全体像(というものが考えられうるとして)のうち、中近東までの断面的な像を取り上げて分析している、と留意される必要がある。
16年後に書かれた後記で、サイードもその前提を次のように認めている。

“Nor is there much similarity between what obtains among

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