中東特派員はシリアで何を見たかー美しい国の人々と「イスラム国」 の感想
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参照データ
タイトル | 中東特派員はシリアで何を見たかー美しい国の人々と「イスラム国」 |
発売日 | 2015-11-30 |
製作者 | 津村 一史 |
販売元 | dZERO(インプレス) |
JANコード | 9784844377092 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
私は普通よりは問題としての「イスラム国」「IS」について関心がある方だと思っていました。が、この本はそれらの知識に足りなかった温度がありました。同時に、自分の感覚の「他人事」さを再確認。殴られたような衝撃を感じました。
読み進めるのがつらくなるような内容(具体性という意味でも、問題の深刻さという意味でも)の連続で、ともすれば頭が理解を拒否して目が文字の上を滑る瞬間があって、その度に「こんな浅い読み方では失礼だ」とまた章のはじめに戻って読みなおす…なんてことをやっていたので異常に時間がかかってしまいました。でも、内容が内容なだけに、せめて、今、この読んでいる瞬間だけでもその内容にきちんと向き合う必要性を感じさせられたのです。そしてそれしかできない自分の無力さにももちろん、打ちのめされるわけですが、その無力が集まれば微力となると信じたかったし、そうでなければ辛くて読めなかった。
様々な角度からシリア問題を論じているのですが、当時の記事とそれを書いたときの心情、現在の津村さんによる振り返りが交互に語られる作りは大きなうねりの中で活動する記者の方々の在り方として実に誠実。「当時は見えてなかった」とされている箇所などは何度も読み返しました。それが時代を切り取るってことなんだろう、と思う。歴史を記録するって何だろう、とそういう意味でも興味深かったです。
読み進めるのがつらくなるような内容(具体性という意味でも、問題の深刻さという意味でも)の連続で、ともすれば頭が理解を拒否して目が文字の上を滑る瞬間があって、その度に「こんな浅い読み方では失礼だ」とまた章のはじめに戻って読みなおす…なんてことをやっていたので異常に時間がかかってしまいました。でも、内容が内容なだけに、せめて、今、この読んでいる瞬間だけでもその内容にきちんと向き合う必要性を感じさせられたのです。そしてそれしかできない自分の無力さにももちろん、打ちのめされるわけですが、その無力が集まれば微力となると信じたかったし、そうでなければ辛くて読めなかった。
様々な角度からシリア問題を論じているのですが、当時の記事とそれを書いたときの心情、現在の津村さんによる振り返りが交互に語られる作りは大きなうねりの中で活動する記者の方々の在り方として実に誠実。「当時は見えてなかった」とされている箇所などは何度も読み返しました。それが時代を切り取るってことなんだろう、と思う。歴史を記録するって何だろう、とそういう意味でも興味深かったです。