禅と食: 「生きる」を整える の感想

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忙しくて食事する時間がなかった日
お金がなくて食事できなかった日
体の具合が悪くて食事できなかった日々
悲しみが深すぎて食事を忘れていた日々
祖母の手による食事
母の手による食事
叔母の手による食事
祖父の手による一品
兄弟の手による一品
自分が用意した食事を他の誰かが口に運ぶ様を眺めた時

今更新しく知ることなどあるだろうかと本書を手に取ると
忘れていた日々をまざまざ思い出しました
食は人生

美味しい精進料理は、カウンセリングやホテルのダイエットプランと同じく、心と体を整えてくれそうです。
ただし、近現代は、美味しい豆腐を求めたり、美味しい野菜を求めたりすると、意外と高く付きます。
簡素な食事は必ずしも簡素ではなく、益々贅沢なことになりつつあります。

一般的に、本は、読むと「霧が晴れる」ことが多いのに、本書は「霧が深くなる」こともある。
難しいことは書かれておらず、簡単なことばかり書かれているのに、しんみりしました。