自由という牢獄――責任・公共性・資本主義 の感想
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参照データ
タイトル | 自由という牢獄――責任・公共性・資本主義 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大澤 真幸 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000610193 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
「自由」など社会にかかわる基本的標語それぞれの持つ複雑性をよく理解し、複雑なまま受け入れることが大切で、それが次のステップにつながること。。。を教えてくれる貴重な書だと思いました。(以前皇后陛下が人生について云われたお言葉を連想しました。)序文に「本書は突き詰めて考えつづけないではいられない人に捧げたい」とあり、私は考える事は好きなので、ワトソン(とベリー)著の「DNA」(邦訳の再読)と並行して読みました。随所でエピソードや論点に感心しましたが、全体としては難解でした。あえて喩えると数匹の蛇が絡み合っている状態(その名は「自由」「束縛」「公共性」「責任」など)は3次元的なのにそれを図なしの文章だけで表現しようとすれば(1次元的!)当然難解になる、そういった感じでした。「科学」については「科学と政治のかかわり」と混同されているのではないか、との印象。。。これについては著者の方も是非前述のワトソンの本をご参照いただきたいと思います。また、国民が憲法を選び直すというご提言については、一般論としては肯定できますが、そのときの政権の指向によっては国民の被洗脳が先行して危険でありうる事も指摘してほしかったです。第1、4章は楽しく、第2章はなんとか、第3章は私には難解すぎて、ワトソンの明快さと比較したくなりました。でも文章で論理的展開をするならこれ以上選択の余地のない極限なのかもしれません。