シェイクスピア全集 14 (14)コリオレイナス (ちくま文庫) の感想
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参照データ
タイトル | シェイクスピア全集 14 (14)コリオレイナス (ちくま文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | W. シェイクスピア |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480033147 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 戯曲・シナリオ » イギリス・アメリカ |
購入者の感想
『コリオレイナス』は古代ローマの史実を脚色した傑作史劇。数々の武勲をたてた勇将コリオレイナスはプライドが高く、絶対に民衆に頭を下げない。それで執政官になりそこね、ローマを追放されるが、今度は敵軍と結んでローマに反逆する。この勇将はしかし、母ヴォラムニアにだけは頭が上らないマザコン男。ここぞという公的場面にいつも母がしゃしゃり出て、息子にあれこれ指示するのがおかしい。第3幕2場の母の台詞を旧訳と比べよう。「なう、せがれ、頼みますぞ。おまひが武人になったのはわしが褒めたからだとおいひだっけが、今日も褒めますから、つひぞ勤めたことのないこの役目を、どうぞうまくし遂げてください」(坪内逍遥)。「お願いよ、やさしい息子、お前もよくいっているでしょう、何よりも私の褒め言葉で軍人になったと。それなら今度も私に褒められるように、一度も演じたことのない役だけれど、しっかり勤めていらっしゃい」(松岡和子)。いつの時代も偉大なるは、母!