見逃せない先天代謝異常 (小児科臨床ピクシス) の感想

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タイトル見逃せない先天代謝異常 (小児科臨床ピクシス)
発売日販売日未定
販売元中山書店
JANコード9784521733104
カテゴリ医学・薬学・看護学・歯科学 » 臨床内科 » 内分泌・代謝 » 内分泌・代謝

購入者の感想

最近、代謝異常疾患に関する良質で見易い参考書が増えてきているが、本書もその一つといえる。まず「見逃せない先天代謝異常」というタイトルが良い。先天代謝異常症にはきわめて多くの疾患があるが、一つ一つの頻度は稀である。しかし、小児の先天代謝異常症を疑う臨床的兆候として挙げられる、not doing well(何となく元気が無くて機嫌が悪い)、哺乳不良、嘔吐、下痢、意識障害(程度は様々)、けいれん、筋緊張低下、肝障害、肝腫大などはいずれも他の「もっとありふれた疾患」でも起こりうるものだ。肝障害はウイルス性の肝炎かもしれないし、哺乳不良などは胃腸炎かもしれない。当然、治療はこれらを念頭において進められる。細菌感染症ならすみやかに抗生剤を投与しなければならない。

代謝異常症が他の疾患と異なる大きな点は、症状が繰り返されることである。点滴をしたら元気になり、CRP等の基本検査値も正常とわかると、そこでとりあえず様子見になることが多い。しかし、そこに紛れ込んでくるのが代謝異常疾患である。もしかしたら、いちはやく診断と治療開始の必要な基礎疾患があり、無治療でいると、もっと大きな発作が後に控えているかもしれないわけだ。これを鑑別するためには血液ガス分析によるアシドーシス(血中のpH)などの検査値がまずは有力な指標だろう。

しかし、もちろん代謝異常症の様態は一様ではなく、症状の出現の仕方も様々である。本書は、「臨床所見」から疑われる代謝異常症をリストアップし、疑われる疾患と、その補助診断のために必要な検査項目が簡潔にまとめられている。

例えば「フロッピーインファント(ぐったりした児の様態)」の場合、正常な筋緊張の評価方法が記載されており、その評価を経て疑われる疾患が「筋力低下あるいは麻痺」の(+)と(-)にわけてニ分類されている。さらに細かい鑑別検査として「血液検査」「尿検査」「眼科的検査」「X線」「染色体分析」「白血球ライソゾーム酵素」「画像検査」「生理学的検査」「筋生検」が挙げられ、その「検査項目」と「目的とする疾患」がすべて表にまとめられている。また、稀少な疾患名や略語、補足が必要な事項については欄外に脚注がある。カラー印刷で図表がわかりやすく整理されているのも良い。

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