つり球完全設定資料集 の感想

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アニメの資料集と呼ばれる本は、作品解説やスペック表記のあるモノや、フィルムブックをダイジェストにしたような各話紹介が記されたモノ、あるいはピンナップの分量の多いファンブック的なモノなども指していると思いますが、これはそういった色気のない、作画をする上で必要な要素のみを抜き出してある純粋な設定資料集です。
200pを超える枚数にこれでもかと詰め込まれたキャラクター、小道具、美術などの密度たるや。
これでも資料の全てではないのでしょうが、こうやってまとめられると、たった1クールのアニメにも、少なくともこれだけのカロリーがつぎ込まれているのかと圧倒されます。視覚情報による説得力は凄まじい。

監督、キャラデ、総作画監督による鼎談から伺える制作風景も大変興味深かったです。

舞台や世界観にまつわる解説の類としての設定記載はありませんが、こんなにもストイックな構成はうれしくなります。
このような形式で他のアニメでも発行されて欲しいなぁと思いました。
ただ、これだけの物量でありながら、散漫ではなく見易さを保った構成は、それだけで相当のカロリーを要したのではないでしょうか。
その意味においてもとても良い本だなと思います。