進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 の感想
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参照データ
タイトル | 進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | リチャード ドーキンス |
販売元 | 早川書房 |
JANコード | 9784152095138 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 科学読み物 |
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購入者の感想
英国王立研究所の伝統ある(ファラデーが1825年に創始)クリスマス・レクチャーとして、1991年にドーキンスが行った5回の講義の忠実な再録である。子供たちのための講義ということで、映像や模型など様々な工夫を駆使して行った内容が再現されている。20年以上も前の講義ではあるが、さすがに今日でも全く内容の古さを感じさせない。生命の誕生と進化という、頭では理解していても説明が難しい内容を、誤魔化さずしかも徹底して子供たちの目線で、見事に説明している。「ドーキンス進化論」の入門書としてお奨めできる。本書では、ドーキンスお得意の鋭い舌鋒や毒舌は最小限に抑制されている。なお、「Richard Dawkins Lectures」と検索することで、5回の講義がすべてYouTubeで視聴できる。本書を片手に、若きドーキンスの熱意溢れる講義を視聴するのも一興である。
第一講義は、生命が宇宙の中で誕生した不思議と進化の役割についてである。細菌の生殖と世代交代を例にして、われわれが現在ここに生きていることのラッキーさ、その生命の起源を研究する科学の役割について説明している。第二講義は、デザインされた人工物と「デザイノイド」(デザインされたように見えるもの)との違いについてである。神がすべての生命をデザインしたと信ずる進化論否定(創造説)論者を意識して、複雑な生命も微細な自然選択の極めて長期間の積み重ねで、生み出されたことを説明している。第三講義は、進化のメカニズムには極めてゆっくり進行するので、「不可能な山」にもいつかは登頂できることを説明している。進化否定論者がよく引き合いに出す複雑な器官の典型である「眼」も、最初はたとえ明るさしか検知できない「1%の機能の極めて不完全な眼」であっても、生存競争には圧倒的に有利である、との説明には説得力がある。
第一講義は、生命が宇宙の中で誕生した不思議と進化の役割についてである。細菌の生殖と世代交代を例にして、われわれが現在ここに生きていることのラッキーさ、その生命の起源を研究する科学の役割について説明している。第二講義は、デザインされた人工物と「デザイノイド」(デザインされたように見えるもの)との違いについてである。神がすべての生命をデザインしたと信ずる進化論否定(創造説)論者を意識して、複雑な生命も微細な自然選択の極めて長期間の積み重ねで、生み出されたことを説明している。第三講義は、進化のメカニズムには極めてゆっくり進行するので、「不可能な山」にもいつかは登頂できることを説明している。進化否定論者がよく引き合いに出す複雑な器官の典型である「眼」も、最初はたとえ明るさしか検知できない「1%の機能の極めて不完全な眼」であっても、生存競争には圧倒的に有利である、との説明には説得力がある。