数学は世界をこう見る (PHP新書) の感想
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参照データ
タイトル | 数学は世界をこう見る (PHP新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小島 寛之 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569818702 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 一般 |
購入者の感想
本書のタイトルは、数学を以って『世界をこう見る』という言わば世界観の分析ツールといった印象を与えている。またこのページの上にある「商品の説明」には「数学は世界を認識するための最高の技術」であるとし、「はじめに」では本書のテーマたる「現代数学のアイテム」について、「中学数学だけから理解できるアイテム」であり、「世界を見る見方として……思想的で哲学的」であると言う(5頁)。また「あとがき」では、「本書ではSF小説的な側面を紹介」(220頁)ともある。これらから綜合するに、(些か観念的だが)現代数学(の一部のアイテム)に依る(SF小説的)世界観を思想的哲学的に『見る』ことが、本書のコンセプトと言うことになろう。
しかしながら文系人間の私には、自信を以って本書の半分以上を理解することが叶わなかったと言える。著者の志向したであろう「SF小説的」な「現代数学」の世界の難解さは漠然とイメージできるが、「中学数学だけから理解できるアイテム」を論ずる各トピックにつき、「面倒な計算やわかりにくい証明には踏み込まないで……解説する手法」(5頁)に依った、と著者が強調するほど簡明・単純なものではないと私は確信する。私は文系人間ながら一応“高校数学’IIB”までは何とか履修したが、本書は右のような文系人間の私のレベルでは些か手強すぎる。確かに各トピックの冒頭からの基本的解説は、概ね「中学数学」のレベルであり右解説までは理解できる。しかしそこから踏み込んで著者の言う「現代数学のアイテム」では、格段に抽象性・難度が増すのである。数学的に言えば進度の3乗に比例するような抽象性・難度と言えると思う。
しかしながら文系人間の私には、自信を以って本書の半分以上を理解することが叶わなかったと言える。著者の志向したであろう「SF小説的」な「現代数学」の世界の難解さは漠然とイメージできるが、「中学数学だけから理解できるアイテム」を論ずる各トピックにつき、「面倒な計算やわかりにくい証明には踏み込まないで……解説する手法」(5頁)に依った、と著者が強調するほど簡明・単純なものではないと私は確信する。私は文系人間ながら一応“高校数学’IIB”までは何とか履修したが、本書は右のような文系人間の私のレベルでは些か手強すぎる。確かに各トピックの冒頭からの基本的解説は、概ね「中学数学」のレベルであり右解説までは理解できる。しかしそこから踏み込んで著者の言う「現代数学のアイテム」では、格段に抽象性・難度が増すのである。数学的に言えば進度の3乗に比例するような抽象性・難度と言えると思う。