筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉下 (講談社+α文庫) の感想

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参照データ

タイトル筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉下 (講談社+α文庫)
発売日販売日未定
製作者アンブローズ・ビアス
販売元講談社
JANコード9784062812535
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 名言・箴言 » 英米文学

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購入者の感想

「文庫版のあとがき」に本書の成立過程や丸谷才一氏が上巻の解説をするいきさつが書かれている。筒井氏が懸念したような「ふざけすぎたところ」は見られず、むしろ原文への忠実さを感じた。例えば【モナド・単子】の項。

日本語五十音による索引は、やはり役に立つ。文字も大きく、親切な本だ。

この辞典の面白さは,次の項目を読めばたちどころに分かるだろう。

REVIEW[書評する] 他動
「あなたの知恵を 読んでいる書物に傾注し あなたが最初に推察していた
第一印象から来る特質を そのまま本から読み取ること」
 類義語 ひとりよがり

捕注 上記解釈中の「あなたの知恵」とはあなたが何の疑いもなく持っていると思っているが
   ホントは,骨も皮もないものである

(レビュー者改訳)

「この本、一体どんなことを書いているの? 本質をつくって?」と首をかしげる方のために、超分かりやすく書こう。 悪魔の辞典に書いてあるのは、こういうことだ。 弁護士や医者になりたくて、法学部や医学部に入ってきた学生たちに対して、学部長はこう言わなければならない。 「いいですか。あなたたちは何故この学部を選んだのか? それは、いい生活をしたいからです。世の人たちの不幸に乗じてベラボウなお金をとって、それでいて周りから尊敬の目で見られる人になりたい。君たちはこうした思いをもって、この学部にやってきたのです。」 そう、だからアメリカでは、弁護士が溢れてしまい、些細なことにもイチャモンをつけてムリヤリ仕事を作っている。日本でも、冤罪事件で多くの人が苦しんでいる。ホントの本当は、法曹界がこういう人種の寄せ集めだからだ。 あるいは、公務員(法律を作るような官僚から、末端の警官や消防士にいたるまで)の新人研修で、先輩の腐れ公務員はこう言わなければならない。 「あなたたちが公務員になった理由。それは、楽をしたいからです。民間企業はいつ潰れるか分からない。常に売り上げを出さなければならない。だから仕事もキツイ。転勤であちこち飛ばされたり、首を切られたりもする。労働基準法なんか守られない。あなたたちは、そんな人たちが命がけで稼いだお金を、税金として強奪して、それでゆっくり暮らしたいのだ。君たちは自分だけのために公務員になったのだ。」 だから、政治はうんざりするのだ。税金は全廃すべきものだ。税金と徴兵こそは、権力がもたらす諸悪の根元である。必要悪ですらない、単なる悪なのだ。しかたないから払う、と考えるべきでない。こんなことは、社会人なら誰でも骨の髄まで染みているはずだ。 このレビューを書いている私は、これを書いている時点では高校生である。だからこそ、思うのだ。人生時間の無駄でしかない作業を延々と続けさせることで、政治家や官僚などの権力側は、私たちを、体制に逆らわない、従順な大人しい労働者にしたてあげたいのだ。ルーチンワーク漬けによって、単純労働への耐性をつけさせ、部活動で残業への反感を麻痺させる。その上、先輩-後輩の関係を植えつけて、一般大衆の連帯感を断ち切っている。それでずーっと、パワハラや体罰、ブラック企業など、形を変えて「イジメ」で鬱憤を晴らす体質が、日本人に染み渡ったのだ。

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