世界最悪の旅―スコット南極探検隊 (中公文庫BIBLIO) の感想
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参照データ
タイトル | 世界最悪の旅―スコット南極探検隊 (中公文庫BIBLIO) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | アプスレイ チェリー・ガラード |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122041431 |
カテゴリ | 文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » 英米文学 |
購入者の感想
スコット南極探険隊の一員であるチェリー・ガラードが10年の時を経て当時を回顧する。
自分達以前の南極探検史、南極点を目指す前の冬季探険(”世界最悪の旅”は遭難した南極点探険でなくこの行進を指している)、南極点到着後に遭難したスコット隊探索、そしてスコット達の記録から分かった南極点探険という構成。
氷点下60度の中での行動の大変さは想像を絶するが、何よりこの本が素晴らしいのはスコットやガラードの探険に対する純粋で高貴な精神にふれられることだ。
極限の環境下でアムンゼンのそりの跡を見つけたスコットはどれだけ打ちのめされたことだろう。しかしその時の彼の手記にはこう書いてある。 「彼はわれわれに勝ったのである。そんなことにはおかまいなく、われわれはやれるだけのことをなしとげ、作られた予定のとおりを遂行したのである」
ガラードは「探険とは知的情熱の肉体的表現である」と書いている。何の為にとてつもなくつらい思いをして、命をかけてまで探険をするのか。その理由はその先に未知の何かがあるからというだけで充分なのだ。
最後のガラードの文がこの本の全てなのかもしれない。 「君の欲するものがただ一個のペンギンの卵であるとしても、君は冬のソリ旅行で報われるところがかならずあるだろう」
(スコット隊は南極点到達を唯一の目標としたアムンセン隊と異なり多くの学術調査を行いながら南極点を目指していて、実際ペンギンの卵を持ち帰ることも命がけて行われていた)
自分達以前の南極探検史、南極点を目指す前の冬季探険(”世界最悪の旅”は遭難した南極点探険でなくこの行進を指している)、南極点到着後に遭難したスコット隊探索、そしてスコット達の記録から分かった南極点探険という構成。
氷点下60度の中での行動の大変さは想像を絶するが、何よりこの本が素晴らしいのはスコットやガラードの探険に対する純粋で高貴な精神にふれられることだ。
極限の環境下でアムンゼンのそりの跡を見つけたスコットはどれだけ打ちのめされたことだろう。しかしその時の彼の手記にはこう書いてある。 「彼はわれわれに勝ったのである。そんなことにはおかまいなく、われわれはやれるだけのことをなしとげ、作られた予定のとおりを遂行したのである」
ガラードは「探険とは知的情熱の肉体的表現である」と書いている。何の為にとてつもなくつらい思いをして、命をかけてまで探険をするのか。その理由はその先に未知の何かがあるからというだけで充分なのだ。
最後のガラードの文がこの本の全てなのかもしれない。 「君の欲するものがただ一個のペンギンの卵であるとしても、君は冬のソリ旅行で報われるところがかならずあるだろう」
(スコット隊は南極点到達を唯一の目標としたアムンセン隊と異なり多くの学術調査を行いながら南極点を目指していて、実際ペンギンの卵を持ち帰ることも命がけて行われていた)