ちいさな王子 (光文社古典新訳文庫) の感想

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参照データ

タイトルちいさな王子 (光文社古典新訳文庫)
発売日販売日未定
製作者サン=テグジュペリ
販売元光文社
JANコード9784334751036
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

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購入者の感想

 砂漠で遭難した飛行機乗りと小さな星から地球にやってきた王子さまの出会い。悲しみややさしさを包み込んだような言葉は、幾つになっても心に残るものを与えてくれる。キツネに教わる「大切なものは、目に見えない」という言葉など、心に残る言葉がこの本にはたくさんある。良く知られているサン=テグジュペリの作品の、新訳の一つ(原作の日本での著作権保護期間が2005年に満了し、いくつかの新訳が続けて出ている)である。

 この新訳では、表紙はこの「新訳文庫シリーズ」に共通する(しかし、内容も少しイメージする)新しいデザインになっているが、原版の挿絵もちゃんと著者の原版からカラーで用いられているので、しょうしょう小型ではあるが、原作の雰囲気は保たれていると思う。あとがきに訳者が「記録に残されている、作者の太くやわらかく、楽しげであったかい声で朗読すべき本であること」を目指して訳したと書いている、淡々とした語り口の文章も、気持ちがいい。

 翻訳、ということについて感じたことを一つ。上にも挙げたキツネとの出会いはとても重要な部分の一つである。ここに「自分がなつかせた相手に対して、きみはいつまでも責任がある。きみはきみのバラに責任があるんだよ・・」という言葉があるが、この「なつく」というのがどういうことなのか、と考えたりして、多分翻訳者も苦労をしたところではなかったろうか、とちょっと他の翻訳も調べてみたくなった。よい作品であるからこそ、自分の感じた通りの言葉に翻訳したい、との思いも強いだろう。こういったことが多くの新訳を生んだのだと思う。良い作品、深い作品ならでは、である。

 どの訳であれ、この作品の伝えたい「大事なもの」は変わらない。しかし、違った訳で読んでみて、違ったところに気付くこともあるかもしれない。短い作品である。何度でも読んで欲しい。

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