四十九日のレシピ (ポプラ文庫) の感想

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参照データ

タイトル四十九日のレシピ (ポプラ文庫)
発売日2011-11-02
製作者伊吹 有喜
販売元ポプラ社
JANコード9784591126653
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

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購入者の感想

レビューを本気で書いてみよう!と思って、メモを取りながら二度読みしました。二回目も読んでよかった、こんないい台詞もあったんだ、と新たな気付きのある良書です。

亡くなった乙美さんは明るく、料理上手でふっくらした女性。
その明るさがまぶしくて、素直になれないままでいた、死んだ母親に似て華奢ではかなげな継子の百合子。
つい大声になってしまうし、うまく感謝を伝えられないままで後悔する夫、熱田良平。

乙美さんが亡くなって、四十九日まで家のことを手伝うように乙美さんと生前約束していた井本という金髪ガングロの女の子が現れて物語が動いていきます。
乙美さんが働いていた福祉施設で本当にしていたこととは。
夫も百合子も知らなかった乙美の一面が明らかになります。

同時進行で、百合子は夫の浮気・離婚問題に直面します。
「子どもがいる、いない、それぞれの人生」について大人の女性なら誰しも考えたことのあるテーマだと思います。
歯切れよく、遠慮なく、辛らつなものの言い方をする珠子おばさんは世間一般的な考えを読者につきつけている気がしました。

自分の子どもを生まなかった乙母さんはどう思っていたのだろう?
乙母さんにききたい、会いたい。
失って初めて大事なことに気付くことがあるけれど、本全体からその後悔が伝わってきます。

乙美の親友の聡美と話すことで百合子は救われます。
私も、自分の子ども・自分の家族だけではなく、人と人とのつながりを考えさせられ教えられました。

イモト・ハルミの2人が四十九日までを励まし支えてくれます。恵まれなかった自分の過去を乗り越えて人に優しくなれるってすごいと思います。
最後に良平が感じるイモ・ハルとの出会いの意味にも感動しました。

「なでしこ物語」でも感じましたが、筆者の言葉選びが丁寧で優しく、読んでいて温かい気持ちになります。
筆者自身の人柄が感じられます。
繊細で落ち込みがちなタイプの人や疲れている人にもお勧めです。

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