寂しい生活 の感想

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タイトル寂しい生活
発売日販売日未定
製作者稲垣 えみ子
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492046128
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者

購入者の感想

 著者の稲垣さんは、福島の原発事故をきっかけに節電に目覚め、更に電気を使う家電という物の存在に疑問を抱き始めます。父上が家電メーカー勤務で、幼少時から家に常に最新家電があったという家庭環境の影響もあったのかもしれません。
 「これがなくても生きていけるんじゃないか?」と思う物を次々と処分していった結果、職も辞し、古くて狭い部屋に引越し、必要最低限の物だけで自由で充実した毎日を送っておられるそうです。

 「何かをなくすと、そこには何もなくなるんじゃなくて、別の世界が立ち現れた。(中略)何かがあることによって見えなかった、あるいは見ようとしてこなかった世界」
 「自分にとって『本当に必要なこと』はどんどんわからなくなり、人はぼんやりとした欲望に支配され(中略)ただただ失うことだけをやみくもに恐れるようになる」
 「我々が本当に恐れるべきなのは、収入が減ることよりも何よりも、自分自身の欲そのものである」
 「モノは結局のところ人を救うことはできないのではないでしょうか」
などの記述には、深く頷かされるところがありました。

 一方で、意地の悪い見方をすれば、稲垣さんは世話をしなければならないご家族もなく、大新聞社でバリバリ働いていらした上におそらく退職金ももらわれたでしょうから経済的余裕もあり、まだ51歳とお若く持病もなさそうなので体も自由に動き、元のお仕事の関係からこのような本の執筆依頼など不定期ながらもお仕事が入る。
 今の家に移る前は高級マンションに住んでいたとか、着ることのない服まで大量に買ったとか書いておられますので、最初から非正規雇用で働いていてリストラされた、などという人とは根本的に違うと思います。
 現在の超シンプルライフも、自分で実験して自分で取材しているという感じも否めません。稲垣さんだからこそできる生活のような気もします。

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