物語 ベルギーの歴史 - ヨーロッパの十字路 (中公新書) の感想

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タイトル物語 ベルギーの歴史 - ヨーロッパの十字路 (中公新書)
発売日販売日未定
製作者松尾 秀哉
販売元中央公論新社
JANコード9784121022790
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

本書の、帯広告はベルギーをビールとチョコの国と云っている。
おそらくは、それすらも多くの日本人は知らないだろう。「名前だけは知っています」というやつだ。
そうそう、それがベルギーにあることを知らない人の方が多いだろうが、フランダースの犬の舞台はベルギーだ。

ある意味で、日本とベルギーは正反対の国だ。
ベルギーは、200年にも満たない歴史と、万世一系なんかじゃない王室と、分裂国家で言語も宗教も違う人々がいて、でも、だからこそ、地域の平和や融和に積極的で、人々はマルチリンガルでグローバルで異なる人々に寛容だ。

ベルギー人という国民性にしても、ゲルマン言語を話すプロテスタントという集団から数えても500年程度だが、ベルギーと云う国やベルギー人という国民の性格が如何にして形成されたのかを学ぶことは、そのまま現在のEUまでの欧州近現代史を学ぶことにもなる。
著者は、政治学者でありベルギーについては論文・著書もあり専門の一つとしている。題名を「物語」としているのは、歴史の本を書くが故の謙遜と思うが、堅苦しさのない分かりやすい内容を云えば「物語」は立派な褒め言葉でもある。(歴史学者やその国で生まれた・住んだ人の新書で、子本書とは対極のような分かりづらい本がいくつもある)

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