地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか: 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来(DOJIN選書) の感想

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参照データ

タイトル地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか: 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来(DOJIN選書)
発売日販売日未定
製作者宮原ひろ子
販売元化学同人
JANコード9784759816617
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 各種の天体

購入者の感想

この本は「宇宙気候学」をわかりやすく紹介しています。お勧めです。

宇宙気候学は、宇宙(とくに太陽活動の変化)が気候に与える影響を調べる学問領域で、比較的新しい分野です。従来、気象学者が考えてきたような「気候は地球内部の要因が決める」という内因説とは対局にあります。その意味では宇宙気候学は外因説の立場です。

文体は平易で、説明はわかりやすく、どんどん読み進めることができます。したがって気候や気象が好きな一般の人々にもお勧めします。

世の中には人為的な地球温暖化を感情的に批判する書籍が多いです。一方、この本は宇宙が気候に与える影響を冷静に紹介しています。地球温暖化にこだわるような記述はありません。フラットに書かれています。この点もお勧めする理由です。

著者の宮原さんは現役の若手研究者で、屋久杉などの樹木から過去の環境を読み解く研究をしています。宇宙気候学のキーパーソンです。文章の端々に研究の様子が紹介されており、研究現場の雰囲気の一端をうかがい知ることができます。この分野は若い分野のためか、自由で活き活きとした感じが文章からにじみ出ています。この点でも気象学者の硬い文章とは対照的ですね。

さて内容ですが、銀河宇宙線が雲の形成に影響を与え、このプロセスを太陽活動が制御しているという話です。記述の多くは太陽の磁場の話題に割かれています。太陽が主役なので当然なのですが。一方で、銀河宇宙線がどのように炭素の同位体を作り、どのように植物に取り込まれるのか、気温の変化はどのように南極コアの酸素同位体に影響するのか、宇宙線から雲核へ至るプロセスなどは簡単な説明にとどめています。メリハリがあるということでしょう。

是非ご一読ください。

大変わかりやすい、平易な語り口が素晴らしいです。
これから何年もかかって地球が寒冷化していくことは間違いないでしょう。
そんな大変な時代の入り口にいる人間としてどうするか。
そんなことを考えさせてくれる啓蒙の書ですね。

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