知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫) - 9784101800028

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参照データ

タイトル知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫)
発売日2014-08-28
製作者竹宮 ゆゆこ
販売元新潮社
JANコード9784101800028
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者

購入者の感想

逆にこのワードのせいで楽しめなかったところがあります。
次のページが気になるのですが、残りページが少なくなるにつれてどこから圧倒的な恋愛小説になるのかが心配になってしまいました。恋愛描写は人それぞれなので何とも言えませんが、少なくとも圧倒的は何を指していたのかが疑問に残ります。一冊でそこまでまとめるのは難しいですし、この謳い文句は編集の戦略ミスじゃないでしょうか。
なので『圧倒的恋愛小説』のワードは忘れて小説を楽しんだほうがいいと思います。

新潮文庫nextさんは、表紙のイラストに惹かれて買うものが今思えば多かったです。
でも、私自身小説は大好きですし、「イラストは内容にあってるから、」と興味本意で読み始めました。

私的にこの小説は、人と向き合うことの大切さを考えさせてくれる内容でした。

読み始めてから、まず、書き出しからの流れに完全に飲み込まれていきました。
主人公「枇杷」の過去を追ううち、居ても立っても居られない気持ちになり、気が付けば涙目に。

枇杷の親友、「朝野」の元カレ「昴」。
昴はいわゆる変態。

私は今でも、朝野はなぜ昴と付き合っていたのか?と疑問が晴れません。
でも、疑問なんて晴れなくても終わりよければすべてよし。です。

枇杷の気持ちになって読んでみるのが、私的には一番この小説を理解できるかな、と思います。

最終的には、枇杷と朝野。枇杷と昴。
それぞれに向き合って、怒ったり、笑ったり、泣いたり
向き合っていくこと。そのことを教えてくれた小説でした。

読み終わったあとは、清々しい気持ちになれるかもしれません。

従来の新潮文庫よりも若年層向けの新しい文庫レーベル『新潮文庫NEX』のローンチタイトルのひとつとして登場した、
作者初の一般文芸作品。
本作を含めたローンチタイトルから、コンペティターとしてメディアワークス文庫を意識していることがよく分かります。
親友にまつわるある出来事をきっかけに就職活動をフェードアウトし、大学卒業後も無職のまま実家で過ごす錦戸枇杷二十三歳。
或る夏の日、都心で歯科医を切り盛りする両親と兄夫婦から実家のリフォームを口実に家から叩き出され……というのが
簡単なあらすじであり、女装男に写真を奪われたことを警官に上手く説明できない舌足らずなところや、
親友で何でも知っている筈だった朝野の別の姿を知らされるくだり、親しげなふりをして小姑である自分を小馬鹿にする兄嫁の姿、
成り行きで女装男のマンションに転がり込んだ一部始終が女装男を通じて実家にダダ漏れする様子などを通じ、
主人公の無力さをこれでもかと突きつけた上で、本文の例えを借りれば、側溝にはまった蟹が如何にしてそこから抜け出し、
自身の居場所を作っていくのかを丁寧に描いています。

『無職女×コスプレ男子の圧倒的恋愛小説』と謳っているものの、おそらくこれは前作および前々作の読者を取り込むために
出版社が勝手に作ったキャッチコピーであるものと思われますので誤解の無いよう。
しかしながら崩壊と再構築の物語として良く出来ていますので、前作、前々作を読まれた方でもそうでない方でも
違和感なく読めると思います。

Amazonの評価でいうなら星ふたつが適当かな、と思いました。内容がつまらないとかそいういう意味ではありません。

のっけから終わりまで竹宮節とでも言わんばかりのハイテンションかつ繊細な文章がちりばめられています。
読んでいて飽きません。次のページが気になります。相変わらず読者を引きずりこむのがうまい。
包み隠さないキャラクターのセリフ回しと遠まわしな下ネタが笑いを誘います。
内容はというと、ちょっと期待していたのとは違いました。ドタバタとしたラブコメディかと思いきや、終始切羽詰った鬱々したお話です。
竹宮先生の文章でぼかしてありますが、主人公:錦戸枇杷。いきなりどん底です(無職。ライフワークは深夜の泥棒捜索。23歳)。読み進めるたびに胃がきゅっとなる描写が。なんという真綿感。
恋愛ということで一応出てくる「彼」役の昴君ですが、なんというか、なんなんでしょうか。人間味をあまり感じられない。プログラムみたいな存在です。
「彼」としての役割を担うがために登場したというか。共通の悩みや問題を抱えているという意味では、同類というか共犯者ということもあるのですが、「彼氏」という役割を抜きにした昴という人間の描写はほとんどない。
この物語の主人公は枇杷なのだから、その必要がないといえば確かにそうだけど、だとしたらキャッチコピーの「圧倒的恋愛小説」というのもそもそも嘘になる。とてもじゃないが恋愛小説ではなかったように思う。

でも買って読んでみるといいと思う。
どうであれ竹宮先生のお話は好きです。

かわうそは、元気?

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