唐詩選〈下〉 (岩波文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 唐詩選〈下〉 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 前野 直彬 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003200933 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 漢詩 |
購入者の感想
下巻は、巻七の七言絶句と唐詩選詩人小伝を収録。中巻の大部分を占めた五言排律や五言律詩とは対照的な、個人的な心情を七文字四行で示した詩句が多数集められている。詩句そのものに留まらず、語釈の数々を読んでいくのも愉しい。この巻は何といっても李白の独壇場で、読んでいくとその広々とした詩の世界と、そんな世界を作り上げる広々とした心境に陶然とする。なぜか、高田渡の「火吹竹」を思い浮かべたりもする。
この「唐詩選」は独特の世界観で切り取られたアンソロジーのようだが、その点に留意して読んでいって同時期の他の詩作(例えば白居易の詩業)も押さえていけば、とても読んでいて効いてくる作品だと思う。もちろんそんなことにお構いなく読んでその叙情に浸るのもいいし、今の世に読まれても遜色のない実質のある詩集。
この「唐詩選」は独特の世界観で切り取られたアンソロジーのようだが、その点に留意して読んでいって同時期の他の詩作(例えば白居易の詩業)も押さえていけば、とても読んでいて効いてくる作品だと思う。もちろんそんなことにお構いなく読んでその叙情に浸るのもいいし、今の世に読まれても遜色のない実質のある詩集。