ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》/序曲 の感想
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参照データ
タイトル | ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》/序曲 |
発売日 | 2012-06-20 |
アーティスト | アンチェル/チェコ・フィル |
販売元 | 日本コロムビア |
JANコード | 4988001731450 |
Disc 1 : | 交響曲 第9番 ホ短調≪新世界より≫ 作品95 B.178 I-Adagio-Allegro molto 交響曲 第9番 ホ短調≪新世界より≫ 作品95 B.178 II-Largo 交響曲 第9番 ホ短調≪新世界より≫ 作品95 B.178 III-Scherzo.Molto vivace 交響曲 第9番 ホ短調≪新世界より≫ 作品95 B.178 IV-Allegro con fuoco 序曲≪自然の王国で≫ 作品91 B.168 序曲≪謝肉祭≫ 作品92 B.169 |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » クラシック » 交響曲・管弦楽曲・協奏曲 |
購入者の感想
このディスクに収録された3曲は、いずれも1961年にプラハ・ルドルフィヌムで録音されたアナログ音源をリマスタリングしたブルー・スペック盤で音質にも非常に恵まれているが、それにも増してアンチェル、チェコ・フィルの情熱的かつ理知的な演奏に強く惹かれる。それはボヘミア生まれのアンチェルが首席指揮者時代の手兵チェコ・フィルを振ったお国物という有利な条件を遥かに超越した高い音楽性の上に成り立っているからかも知れない。つまり彼らは濃厚な民族意識をベースに持ちながらも、アンチェルの高踏的な解釈が偏狭な民族主義の鼓舞に終わることなく、この作品の普遍性を導き出したとも言うべき演奏だ。それだけに恣意的に強調されたり、大見得を切るような部分は皆無だが、強い説得力を持って迫ってくる。
しかも彼らは冒頭のティンパニに聴かれるようにオーケストラとして独自のカラーを持っていて、素朴だがその力強さと機敏でしなやかな機動力が大きな魅力になっている。第2楽章のコーラングレ・ソロも巧みだが、シンプルな背景にアンチェルは効果的な抒情性を醸し出して、この交響曲に絶妙なアクセントを与えているし、全体を引き締める緊張感の持続は聴き手を引き付けて離すことがない。『新世界』はクラシックのスタンダード・ナンバーで、一流どころのオーケストラは殆んど例外なく、しかもさまざまな指揮者と繰り返し録音しているが、この演奏は将来にも聴き継がれるべき数少ないサンプルのひとつとしてお薦めしたい。
スプラフォンは冷戦時代の東側の国々の中でも録音技術に関しては西側に引けを取らないだけの優れた音源を残していて、ステレオ録音も旧東ドイツと並んで逸早く実現化している。これはまだ大衆的なステレオ再生機器自体が普及していなかった当時の東側では例外的で、むしろ同時代のソヴィエトの録音システムよりも優っている。来たるべきオーディオ時代を先取りした先見の明とその技術開発には驚かされる。その後世界初のPCMディジタル録音は東京で行われたが、演奏はスメタナ四重奏団だったことも象徴的だ。尚このディスクには『新世界』の他に2曲の序曲『自然の王国で』Op.91及び『謝肉祭』Op.92がカップリングされている。
しかも彼らは冒頭のティンパニに聴かれるようにオーケストラとして独自のカラーを持っていて、素朴だがその力強さと機敏でしなやかな機動力が大きな魅力になっている。第2楽章のコーラングレ・ソロも巧みだが、シンプルな背景にアンチェルは効果的な抒情性を醸し出して、この交響曲に絶妙なアクセントを与えているし、全体を引き締める緊張感の持続は聴き手を引き付けて離すことがない。『新世界』はクラシックのスタンダード・ナンバーで、一流どころのオーケストラは殆んど例外なく、しかもさまざまな指揮者と繰り返し録音しているが、この演奏は将来にも聴き継がれるべき数少ないサンプルのひとつとしてお薦めしたい。
スプラフォンは冷戦時代の東側の国々の中でも録音技術に関しては西側に引けを取らないだけの優れた音源を残していて、ステレオ録音も旧東ドイツと並んで逸早く実現化している。これはまだ大衆的なステレオ再生機器自体が普及していなかった当時の東側では例外的で、むしろ同時代のソヴィエトの録音システムよりも優っている。来たるべきオーディオ時代を先取りした先見の明とその技術開発には驚かされる。その後世界初のPCMディジタル録音は東京で行われたが、演奏はスメタナ四重奏団だったことも象徴的だ。尚このディスクには『新世界』の他に2曲の序曲『自然の王国で』Op.91及び『謝肉祭』Op.92がカップリングされている。