白の真実-警察腐敗と覚醒剤汚染の源流へ- の感想

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タイトル白の真実-警察腐敗と覚醒剤汚染の源流へ-
発売日販売日未定
製作者曽我部 司
販売元エクスナレッジ
JANコード9784767806129
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

本書の源流は2002年に発生した「稲葉事件」にあります。稲葉事件とは当時北海道警の現職警部が覚せい剤の使用、営利目的所持、銃刀法違反で逮捕された事件です。当の稲葉圭昭氏は9年間の懲役を終え、恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白という手記を出版しています。北海道在住の方以外にとってはとっくに終わっている事件ですし、私自身当時の報道状況さえ定かではありません。しかし、本書を読むと、この稲葉事件を契機として広がった警察の腐敗と犯罪汚染が拡大された様子がよくわかります。

当時北海道警が拳銃押収成績を上げるため、自作自演をしていました。その中心人物が稲葉氏になります。その延長線上で、拳銃押収のため、大規模な覚醒剤密輸を故意に見逃したことが問題を深刻にしていると著者は分析しています。道警は稲葉氏の覚醒剤使用で巧みに幕引きをしました。しかし、一度覚醒剤密輸を故意に見逃したことが弱みとなり、十分な取り締まりができなくなってしまいました。そのため北海道は覚醒剤密輸の玄関となってしまい、北海道から全国への覚醒剤ルートが確立したことが書かれています。

著者はマスメディアの組織に属さず「ひとり社会部」を自称しています。そのため警察からの開示情報に依存しているマスメディアにはない独自の手法と人脈で取材しています。個人のキャパシティには限界があり、大きな成果を上げたとは言い難いのも事実です。新聞をはじめとしたマスメディアの劣化が著しく、信用に足る情報がない現状で、著者のようなフリーランス記者の地道な取材は点と線をつなぐ貴重な情報源といえるのではと思います。

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