悲しみのイレーヌ (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル悲しみのイレーヌ (文春文庫)
発売日2015-10-09
製作者ピエール・ルメートル
販売元文藝春秋
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購入者の感想

本作品は、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第1作となります。
しかし、多くの日本人読者が同じだと思うのですが、第2作「その女アレックス」を先に読んだうえでの、読書となりました。
これには理由があって、本シリーズ初邦訳が2014年刊行の第2作「その女アレックス」だったのです。
この作品は、物凄い衝撃作がフランスからやって来たと、ミステリファンの間ではかなり話題になり、私も、早速読んでみたものです。
そして、この第2作の評判が良かったため、遅れて第1作が邦訳されたという状況があります。

理想を言えば、第2作を読む前に、第1作を読むべきでしょう。
題名になっている「イレーヌ」は、主人公カミーユ警部の妻の名前です。
そこに「悲しみの」とついていると、第2作を読んだ方であれば、何となく結末が読めてしまいます。
このため、もし「その女アレックス」を未読であれば、先に本作品を読まれることをオススメします。

なお、結末が想像できると述べましたが、実際読んでみると、衝撃度は、想像以上でした。
このため、発表順には読めなかったけれども、本作品は、やはり優れたミステリとして評価したいと思います。

本作品は、死体を切断するなどの猟奇的殺人事件が連続して起こり、この真相にカミーユが捜査を進めて、真相を解明していくという物語。
一種のサイコ・サスペンスかつシリアル・キラーものと言えます。

本作品の一番の読みどころは、犯人が誰かという、フーダニットよりも、何のために罪を犯したのか、という動機の意外性で勝負する、ホワイダニットの面白さでしょう。
私は、日本人作家のある代表的な短編ミステリと発想が類似していると感じました。
もちろん、語られている事象自体は全く別物であり、本作品が真似ているという意味はありませんので、念のため。

本作品を読了して感じているのは、もう一度、「その女アレクッス」を再読してもいいかな、ということです。
第1作の結末を知っていれば、再読でも別の楽しみ方ができると思うからです。

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