絵ときシグナル伝達入門 の感想

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高校生物以上を学びたい人へお勧めの本です。題の如く初心者には助かります。

シグナル伝達という概念は、バイオ初学者にとって最大の難関と言っていいと思います。本書は、シグナル伝達とは？を正攻法で解説する、一番わかりやすい本。

バイオ初学者は、どんな不思議な生命現象も生命だからなんとなく起こりうる、という常識的生気論から抜け出せない人が多いです。本書は、そのような生命現象の実体はシグナル伝達と呼ばれる化学反応の結果である、ということを具体例をいくつか紹介して、かみ砕いて解説します。

本書を読んでもシグナル伝達が分からなければ、分かっている人に直接会って聞くしかない。本書は、それほど分かりやすく書かれた本です。（シグナル伝達が理解できない人は馬鹿だ、ということではありません。シグナル伝達の理解には、生命って機械なんだという発想の転換が必要なので正直難しいです）

シグナル伝達とは、細胞外の刺激を受け取って細胞の中に伝える単純な伝言ゲームではなく、細胞が環境に適切に対応するための情報処理の本体。生命現象の豊かさ、面白さ、複雑さの本体はシグナル伝達。←という文章の内容が、本書を理解すれば分かるようになります。