【Amazon.co.jp限定】さんかく窓の外側は夜 2 イラストカード付 (クロフネコミックス) の感想

271 人が閲覧しました

今巻から三角を取り巻くキャラクターの人となりが徐々に見えてきたように感じます。
見た目チャラい迎くんは他人の痛みに同調出来る人で、
残酷で恐ろしい人物かと思われた非浦英莉可も実は孤独と悲しみを抱えていた。
でも冷川さんに関しては三角への独占欲以外の感情が読めない。
その独占欲の出処も読めない。
正直、作中で一番よくわかんなくて怖いのが冷川さんだなと思いました。
「契約書」ってなんなんですか。あれ呪縛ですよね？呪いのアイテムですよね？
三角本人への説明無し、合意も無いまま勝手に貞操帯（？）みたいな仕掛けを施してしまいましたが
ああいう強引さが「THE・コミュ障」を体言していて冷川というキャラを一層愛おしく感じさせるのでしょうか。
これまで、冷川＆三角の除霊という名の擬似セックスショートコントを見ているだけで十分楽しめていたのですが
非浦英莉可と迎くんの干渉によって二人の関係性がますます面白くなってきたように感じます。
もし今後、三角くんの視力が失われるような展開がきたら冷川さんはどうするんでしょう。
もはや道具（助手）に対する愛着以上の感情があるようにしか見えないんですが、
万が一機能しなくなったらあっさり手放しちゃうんでしょうか。

１巻と比べるとややホラーな展開は控えめでしたが、油断してると急にきます。
非浦英莉可が自身の呪いの力について説明しているシーンの一コマで、
唐突に背景のそこかしこに奇妙なモノたちが映り込んできます。
同じ場面にいる冷川や三角、非浦英莉可からは見えてない視点なので、
それらをうっかり視界に捉えてしまっているのは読者である自分だけ。
スルーしかけて、気付いちゃった時の心細さ・恐怖感ときたら。
線がラフで、細部までしっかり書き込まれてるわけではないのでそこまで画面的な恐ろしさは無いのですが
誰もいないはずの部屋で肩を叩かれたような後引く不気味さがあって、読後もしばらく襲ってきます。
狙ってやってるのか素なのか不明ですが、漫画という媒体で視覚じゃなく心理的な恐怖に訴えてくる演出が巧みです。

除霊師の冷川さんが、お気に入りの助手・三角くんを従え、さらに似非占い師の迎も参戦、除霊行脚は今日も続きます。

いよいよ内容がタイトルに追いついて来たようです。
「三角」というのがポイントですよね。鋭角って痛そうで。
表紙の冷川さんに一目惚れしましたが、下からライトが当たってるような顔が怖い・・・

目に見えない物は見えない私には怖くてとりとめのないレビューになりますが、
除霊と言っても霊だけではなく、邪な念や心の歪みが視えるという内容で、それも親子の軋轢がテーマだったと思います。

三角くんに対する冷川さんの一方通行とも言える強引な態度は、まったく意思の疎通ができていませんが、
冷川さんと三角くんの二人の間の物理的な距離はあまり意味がないので目に見えない魂の行き来がすごいです。
冷川さんは色素が薄そうだから、混血なのかな、とか。
実は実体は遠くにある、(いる、)とか。
君は私のものと言うからには、何か隠してそうというか、何か知ってそうだよなぁ。

三角くんは霊感体質にしては無防備過ぎて、まだ自分の身を護る術を体得していない。
そんな危なっかしい三角くんを振り回して無理矢理除霊をする冷川さん・・・
そんな二人の除霊行為にエロスを感じるとは。
精神の中までまさぐられるなんて普通の肉体関係よりもいやらしく感じてこれじゃ服を着てても着てなくても同じだな、とか。

息の合ってない(笑)ギクシャクコンビはバディ物としてとても楽しく読みました。

除霊する者とされる者の間にはさまれ、三角くん、何かちょっとかわいそうですよねぇ。

でもヒウラエリカってのは怖い。
瞳の綺麗な普通に可愛い女子高生ってのが逆に凄味を増してくる。

そうそう、描き下ろしは二人の身長が判るんですが、(冷川さん186cm,三角くん177cm)
最後は下ネタでオチが付いてました。

でもまだまだ冷川さんの正体？も謎だし、三角くんの身体にも異変が起きているみたいだし・・・