乱読のセレンディピティ の感想
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参照データ
タイトル | 乱読のセレンディピティ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 外山 滋比古 |
販売元 | 扶桑社 |
JANコード | 9784594069964 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 読書法 |
購入者の感想
セレンディピティ(serendipity)を『研究社新英和大辞典』で引いてみると「当てにしない(いい)ものを偶然発見する才能…」とある。serendipitous の名詞形である。我々は一般に良書を精読することにより知識が得られ賢くなると考えている。本書の著者は, その常識を覆して「精読より乱読によってクリエイティヴな思考が養われる」と説く。著者は指摘する「狭い専門分野の本ばかり読んでいると、われわれの頭はいつしか不活発になりクリエイティヴでなくなる」(p. 102)。評者も狭い範囲の専門書ばかりを読んでいるが、これは専門分野の発達が速くて、読んでいないと進歩についていけないからである。要するに他の分野の本を乱読する時間がないのである。このように人それぞれであるから、著者の説く読書論は万人に当てはまると限らないが、なるほどと思われる点が少なくない。あるときは反発しあるときは共感して読むと良いだろう。読んで楽しい読書論である。0