The Problems of Philosophy の感想

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参照データ

タイトルThe Problems of Philosophy
発売日販売日未定
製作者Bertrand Russell
販売元Dover Publications
JANコード9780486406749
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

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購入者の感想

所謂コンチネンタル系哲学と比して、まあなんてスッキリ・バッサリとして綺麗なのだろう、という哲学。クリアな散文が並び、壮大な観念がトグロを巻くような文章がない。性能の良い箒でサッサッとゴミ思考を片付けてしまうような。果たしてそれらが真実ゴミなのかは私には分からないが。ゴミの中には「人生論」とか「存在論」みたいなのも入るのである。ラッセルにとってこれが哲学であった、ということ。「確実な知識」とはそもそも可能なのか、という「知」を巡る認識論の世界にシロートを導いてくれる内容になっている。確実な知識の追及よりも、不備だらけの知識のままでどのように生きるか、という人間臭い領域に関しては、「そんなアドバイスは哲学の任務ではない」と峻厳な横顔を見せるような空気が見事だと感じる。だから分析哲学は一部で毛嫌いされるが、このクールさが個人的には気持ちが良い。
ラッセルは当時自分より遥かに無名だったフレーゲに言及することによってフレーゲを有名にし、後に自分の論敵となるウィトゲンシュタインという怪物を見出して世に放った。後年、その弟子の影になってしまったが、ウィトゲンシュタインはラッセルの比類のない文才を羨み続けた。逆に、物書きとして優秀過ぎて、著作が多過ぎるような印象もあるが。大衆向け啓蒙本みたいなものまで書いていて、謎の器用さを持った人だ。哲学界では綺麗に無視されているが、ノーベル文学賞を獲っている(何で獲ったんだろう?)。ラッセルのライフワーク『数学原理』はとてもじゃないが読む気になれない、という方には絶好の分析哲学入門書。美しい英語とはこういうもんですよ、というお手本にもなる。

ラッセルに興味がある人は必読です。場合によってはこれだけでいいかもしれません。
タイトル「哲学の諸問題」どおり、ラッセルが哲学の問題と考えたトピックと、そのラッセル流の解法がわかりやすく説明されています。ラッセルの業績はいろいろありますが、そのエッセンスが全て詰まっています。こんなにきれいに哲学の問題が解けちゃうの?と思う人もいるかもしれませんが、それがラッセルの持ち味です。実際に解くのにラッセルも苦労しています。
確かに、いつの間にかラッセルは時代遅れになってしまった観があります。ラッセル流の解法が行き詰まってしまったのも事実ですが、ラッセル以降の哲学者はラッセルが本気で関わっていた核とでもいうべき問題を、ウィトゲンシュタインの問題で迂回しただけのような気がします。

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