集落への旅 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル集落への旅 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者原 広司
販売元岩波書店
JANコード9784004203742
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 法律の資料 » 六法・小六法

購入者の感想

著者が旅した各地の建築様式や人々の暮らしに興味があって、ずいぶん前に購入。各地の集落は写真で紹介されていて、集落の位置関係は絵で描かれているのでイメージしやすい。

  はじめに
1 集落への旅 地中海
2 かげりのなかの集落 中南米
3 周縁が見える集落 東欧から中東へ
4 形象をこばむ集落 イラク・インド・ネパール
5 集落のある〈世界風景〉 西アフリカ

「集落への旅」で、著者はオアシスを旅し、そこで、かつての「共有」のイメージの変更を迫られたと言う。そこにある土地やナツメヤシは、おのおの個人の所有で厳密に管理されていたのだ。また、広場ではよそ者も受け入れるが、住居地域に入ると途端に迷路になるという都市を守るためのメディナの仕掛け。「かげりのなかの集落」では、幾重もの木柵のある村。著者は木柵を通して、住居から凝視されているような恐怖さえ感じている。今はずいぶん変わってしまった風景も多いと思うだけに、貴重な記録。

1987年に出版された書物だが、2011年に再販されたという。読んでみて、その理由がよくわかった。
内容は、筆者が調査チームを率いて、ヨーロッパ、アフリカ、南米、中東、アジアなどの世界中の様々な集落を訪ねた、旅の記録である。
筆者は、そうした様々な場所で、その土地を取り巻いている、豊かな自然環境と、その環境に適用してきた、人々の暮らしの形、集落と出会う。
建築学者としての、理論的な考察も記されているが、何よりも、旅の記録自体、そのものが楽しい。
実際の旅は、1970年代に行われた。すでに40年も前の記録である。今日の姿は、当時とは違っているだろう。
しかし、今でも、人間は、世界中の至る所で、自分をとりまく自然と向き合っている。どんな形であれ、それを受け入れ、共存しようとしている。そして、そこに、いつも、集落が生まれる。
今でも、そしてこれからも、集落への旅は、終わらない。
それは、誰かによって、なされ、語られ、あるいは記録され続けるだろう。

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