八十歳のアリア―四十五年かけてつくったバイオリン物語 の感想
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参照データ
タイトル | 八十歳のアリア―四十五年かけてつくったバイオリン物語 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 糸川 英夫 |
販売元 | ネスコ |
JANコード | 9784890368365 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品 |
購入者の感想
希有な書である。稀代の独創人間とも呼ばれた糸川先生の最高傑作である。糸川先生の真実感動する純な心、根源まで溯って考え、実行する徹底的な誠実さが、パワーの源泉となっていたように思う。
戦闘機「隼」を設計するにいたる経緯などは、無茶苦茶に面白くて涙が出る。暗い時代だったと推測するが、まわりの人々も、ぶっきらぼうでいて心やさしく魅力的である。独創的な技術開発の神髄を学ぶこともできるし、人間関係の楽しさも味わえる。
本書の主テーマは、終戦後、生きる目的を失って自殺を考えていた糸川先生の前に現われた熊谷青年の懇願から始まった。「ストラディバリウスよりいいバイオリンを作って欲しい」と。完成まで45年かかった、「エンデの物語」のような不思議な物語である。完成したバイオリンを巨匠ユージン・メニューインが試弾するところで終わる。心地よい感動と元気が湧いてくる希有な名著である。
戦闘機「隼」を設計するにいたる経緯などは、無茶苦茶に面白くて涙が出る。暗い時代だったと推測するが、まわりの人々も、ぶっきらぼうでいて心やさしく魅力的である。独創的な技術開発の神髄を学ぶこともできるし、人間関係の楽しさも味わえる。
本書の主テーマは、終戦後、生きる目的を失って自殺を考えていた糸川先生の前に現われた熊谷青年の懇願から始まった。「ストラディバリウスよりいいバイオリンを作って欲しい」と。完成まで45年かかった、「エンデの物語」のような不思議な物語である。完成したバイオリンを巨匠ユージン・メニューインが試弾するところで終わる。心地よい感動と元気が湧いてくる希有な名著である。