発送電分離は切り札か: 電力システムの構造改革 の感想

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タイトル発送電分離は切り札か: 電力システムの構造改革
発売日販売日未定
製作者山田光
販売元日本評論社
JANコード9784535557192
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 一般

購入者の感想

発送電分離は切り札か、発電、送電、小売を分離していくことによる
電力の自由化。欧州 米国などの事例を参考に提示しながら
その形態とそれぞれの課題について書いてある
日本が自由化を行う場合のシナリオについても説明しており、わかりやすい本だった

 発送電分離が切り札かというと、そこはミスリードかもしれない。
 確かに、著者は、垂直統合と発送電分離のそれぞれの特長を示し、その上で公平は結論を出している。
 その結果は、我が国も電力需要が大きく伸びるわけじゃないし、発送電分離をし、競争を持ち込んだ方が効率的だという結論。
 本書が優れているのは、海外事例を紹介すると同時に、その事例が日本にどれだけ間違った内容で伝わっているのかという点まで指摘しているということだ。よく、米国カリフォルニア州の大停電を例に、発送電分離が見直されたということが、電力会社に近い人から言われているが、実際にはカリフォルニアでも構造改革は進んでいる。
 公平ということについていえば、著者は電力会社に対して悪意を持っていない。むしろ、電力会社はこうあるべきだということを示しているにすぎない。そうした中、コラムとして書かれた、東電の賠償担当に異動した若手社員の話は、やはりかわいそうだなって思う。ほんとうに、東電の現場の社員の雇用も考えたら、役員の保身で発送電分離を避けるという選択肢はないはず。
 もっとも、著者も書いているが、発送電分離は手段であって目的ではない。ぼくたちがどのような効率的なエネルギーサービスを受けることができるか、ということが問題。
 そうした点で、不満があるとすれば、これからのエネルギーシステムを示す上で、どちらかというと上流部門の記述が多く、身近なサービスがどうなるかという点に関する記述は少ないこと。でも、そこはまた、優れた別の本にゆずればいいことだとも思う。

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