のんのんばあとオレ (ちくま文庫) - 9784480024442
174 人が閲覧しました
参照データ
タイトル | のんのんばあとオレ (ちくま文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 水木 しげる |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480024442 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
※サンプル画像
購入者の感想
本書は筆者の幼年時代からガキ大将時代までをつづった作品で、幼年時代、尋常小学校時
代、高等小学校時代の3部にわかれています。筆者は自伝エッセイを数多く残しています
が、1977年に刊行された本書は初期の作品にあたります。
ふだんのエッセイでは「ボク」ですが、本書では一貫して自分のことを「オレ」とよんで
いるので、慣れるのにすこし時間がかかります。
のんのんばあは妖怪や地獄極楽といった未知の世界にいざない、筆者の幼年期に強烈な印
象を残しました。しかし物語が進むにつれて、主人公の関心が同世代との交流や自分の趣
味へしだいに移っていきます。それに反比例してのんのんばあへの言及が少なくなってい
き、物語の後半でひっそりと亡くなるくだりは、自分の少年期と重ね合わせてしんみりし
ました。
近年の筆者の言動からうける印象の強烈さから、子どものころからそうだったのだろうと
いう錯覚におちいりますが、本書をよむとガキ大将になることに腐心する、ちょっと毛色
の変わった子どもだったことがわかります。昨今は筆者が仙人の境地に入ったと面白がっ
て担ぎ出す風潮がありますが、筆者の腕白時代を描いた本書をよむとそれが偏った見方で
はないかと思えてきます。
個人的には「亡国の子どもたち」中の「ミヤよ」のエピソードがお気に入りです。
本書は「ちくま少年図書館」の一冊として刊行された単行本をほぼ完全に文庫化したもの
です。井村君江さんが「日本妖怪博士、イギリス妖精探検の旅に出る」という解説を書か
れています。
代、高等小学校時代の3部にわかれています。筆者は自伝エッセイを数多く残しています
が、1977年に刊行された本書は初期の作品にあたります。
ふだんのエッセイでは「ボク」ですが、本書では一貫して自分のことを「オレ」とよんで
いるので、慣れるのにすこし時間がかかります。
のんのんばあは妖怪や地獄極楽といった未知の世界にいざない、筆者の幼年期に強烈な印
象を残しました。しかし物語が進むにつれて、主人公の関心が同世代との交流や自分の趣
味へしだいに移っていきます。それに反比例してのんのんばあへの言及が少なくなってい
き、物語の後半でひっそりと亡くなるくだりは、自分の少年期と重ね合わせてしんみりし
ました。
近年の筆者の言動からうける印象の強烈さから、子どものころからそうだったのだろうと
いう錯覚におちいりますが、本書をよむとガキ大将になることに腐心する、ちょっと毛色
の変わった子どもだったことがわかります。昨今は筆者が仙人の境地に入ったと面白がっ
て担ぎ出す風潮がありますが、筆者の腕白時代を描いた本書をよむとそれが偏った見方で
はないかと思えてきます。
個人的には「亡国の子どもたち」中の「ミヤよ」のエピソードがお気に入りです。
本書は「ちくま少年図書館」の一冊として刊行された単行本をほぼ完全に文庫化したもの
です。井村君江さんが「日本妖怪博士、イギリス妖精探検の旅に出る」という解説を書か
れています。