叛逆―マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス No.1203) - 9784140912034
183 人が閲覧しました
参照データ
タイトル | 叛逆―マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス No.1203) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | アントニオ・ネグリ |
販売元 | NHK出版 |
JANコード | 9784140912034 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 人文・思想 » 思想誌 |
購入者の感想
と云うことを、昨今の大衆運動の盛り上がりに乗っかってインテリが200頁掛けて叫んでみた本。帯の「代議制を否定せよ デモが目ざすべき政治とは? 待望の具体的提言!」と云う宣伝文句や、原題の"Declaration"からも明らかな通り、それっぽい用語を連ねて無名の大衆の中の知的な層に向けて書かれたアジテーションの書。最初に現代の主体を「借金を負わされた者」「メディアに繋ぎとめられた者」「セキュリティに縛りつけられた者」「代表された者」と定義付けているので、グローバル時代の負の側面に対する恨みつらみがたっぷり。皆この儘じゃダメだ、新しい恊働が、社会的紐帯が必要なんだと訴える。で、後半になって〈私〉でも〈公〉でもない〈共(コモン)〉の領域を構成しなければならんとか言い出すのだけれども、その構成的=立法的な革命を実現する為に何が必要なのか、現在世界各地で行われている様々な試行錯誤を参照しつつ、整理しようと試みているのだけれども、これが何だかいまいちパンチに欠けていてどうも歯切れが悪い。どうすれば我々が〈共民(コモナー)〉と成り、実効的に行動出来るのか、それこそ「具体的提言」を私は期待していたのだけれども、その点では些か期待外れ。まぁエジプト革命やOWS運動に代表されるマルチチュードの成長と成熟を理論的に説明することに関心が有る向きにはお薦めかも知れない。