GPIF 世界最大の機関投資家 の感想

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タイトルGPIF 世界最大の機関投資家
発売日2014-07-25
製作者小幡 績
販売元東洋経済新報社
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 「約130兆円の安全かつ効率的な公的年金の運用が危機にさらされている」--。こう筆者は警鐘を鳴らす。公的年金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF、ジー・ピー・アイ・エフ)と呼ばれる厚生労働省所管の独法が運用している。安倍晋三首相によるアベノミクスの成長戦略の柱にGPIF改革が盛り込まれ、GPIFの運用ポートフォリオを速やかに変え、組織改革の断行が求められているのだ。
 
 本書は、「GPIFとは何か」という点から、「リスクとは何か」など17章建てで、GPIFや公的年金、運用のことをよくわからない人向けにわかりやすく解説。現在進行中のGPIF改革に対する見解も示している。そして最終章で「GPIF改革私案」を提示してまとめたものだ。ただやはり専門性が強いので、一定の知識のない人には難解な面もある。

 筆者の小幡績氏は財務省のキャリア官僚から慶大准教授に転じ、GPIFの運用委員会委員を2期4年務め、この4月退任した。現在の金融マクロ政策に批判的な立場でもある。これまで内部からGPIFを眺めていた筆者が、現在進行中の政府のGPIF改革案を批判している。ただ退任した運用委員の多くがだんまりの中で、筆者は現政権が大した議論もせず、国民の知らないまま、GPIFを変えようとしていることに危機感を持ち、本書を書き上げた勇気は評価できよう。
 
 政府の進めるGPIF改革は大きく、国内債券から国内株式へのシフトなど資産配分の見直し、ガバナンスの見直しの2つに大別される。筆者は本書の随所でそれらに対して独自の視点で批判する。例えば、国内債券から株式へのシフトについては、「リーマンショック後、世界の投資家はすでに機敏に動いて株価が上昇してしまった。株式を今更買うのは間抜けだし、危険」と独自の相場観も披露する。また、筆者はGPIFの運用で最も重要なのは、「国民のリスク許容度」と指摘する。「国民はこれまで年金運用の哲学を考えたこともない。どこまでリスクをとれるか意思決定することが必要。これは専門家が国民に伝えること」と官僚らしい発想が垣間見れる。

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