藍の書 の感想

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参照データ

タイトル藍の書
発売日2019-03-06
製作者辻 麻里子
販売元ナチュラルスピリット
JANコード9784864512978
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 形而上学・存在論

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購入者の感想

「藍の書」は辻麻里子さんの遺書とのこと。辻さんが亡くなったということをこの本の出版で知った。その出版告知は驚きだった。何故かと言えば、彼女は2030年ころまで生きて、その間、メッセージを発信し続けるだろう、という私の中での無意識的な前提が一挙に壊れたからだ。この長期プログラムの前提は別に私の個人的妄想ではなく、本人も想定していたプログラムだったことがこの本を読んで確認できた。そして彼女の「早逝」というプログラム変更はどうも3.11からスタートしたような印象をこの本から受けた。そしてそのプログラム変更の理由はこの本から読み解けるのかもしれない。しかし、ロゴスのロゴスといえる「数」と、同じく、「ロゴスのロゴスといえるイデア」のひとつの顕現パターンと思える「夢」、この「数」と「夢」というロゴスの両極を一挙に提示する辻さんのスタイルのインパクトはこの遺書においても貫徹され、徹底され、安易な「解答」としての結晶化(=概念化、論理化)を許さない。それゆえに彼女は夢という生のままの素材を書いてきたのだ。とはいえ、同時に、彼女は彼女がみた夢を文字化する努力を最期までやめてはいない。この姿勢はそれ自体が貴重なメッセージである。いつか、夢は時熟し、「字熟」する時が来るだろうと期待しつつ、その時まで、せめて、彼女の残した遺書の深淵を謎として問い続けていきたい。

イデアは時に神話であり、物語であり、童話であり、それは彼女の場合「夢」として顕現する。

とはいえ、この本、全編が難解な本かといえば決してそうではない。むしろ童話とおもえるシンプルなストーリーが展開される。たとえば、ロゴスの権化ともいえそうなアインシュタインやパウリが夢に出てきて、チェスを始めてしまう。彼らは次に辻さんが誰のテーマを展開するかの先着をチェスで争いはじめる。この登場人物とシチュエーションの落差はこの本が同時にロゴスの母は神話であり、「夢」なのだということを告げている。

ある晴れた日、少女はハイキングにでかけて、きれいな泉を見つける。その泉を覗くと、そこには限りなく透明な水が満ちていて、泉の底はどこまでもどこまでも深い。

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