葬式プランナーまどかのお弔いファイル の感想

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　結婚式は半年準備期間があるのにお葬式は三日くらいですませ、しかもそれは大体突然やってきます。大事な人を見送るのに、決めることが多すぎて余裕もありません。

　各事例は、いつ誰が喪主になってもおかしくないこの時代に、比較的起こりうるケースに対して、葬祭業の経験を持つ筆者がどう対処すればいいのか、独自の視点でアイデアを紹介しています。発想は斬新ですが法律関係と最低限の倫理的な部分はちゃんとパスしていて、「なるほどなあ」と目からウロコの連続でした。

　また実用的な面ばかりでなく、小説というストーリー仕立てにしたことで葬儀という儀式やそれに降りかかる値段がリアルに感じられ、そして登場人物の人間的な部分にところどころ思わず涙がこみあげてきました。自分の身内が亡くなって葬儀に関わったことのある人間なら誰しもいろいろな部分に同意したり共感したり、自分だけじゃなかったんだ、と思いあたると思います。