ポピュリズムとは何か の感想

199 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトルポピュリズムとは何か
発売日販売日未定
製作者ヤン=ヴェルナー・ミュラー
販売元岩波書店
JANコード9784000247962
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

※サンプル画像

購入者の感想

① 英語版(2016年8月)の購入を考えておられる方には、その前に日本語版の検討をお薦めする。日本語版への著者の序文(2017年1月)には米国大統領選挙の結果を踏まえた有益な考察が含まれている。(価格も、英語版はハードカバー、キンドル版とも日本語版より少し高い。珍しいですね。)
② 本書の特長は、「大衆迎合主義」のような曖昧な概念では見えないポピュリズムの危険性を明確にすることにある。
③ 本書は、ポピュリズムの支持層の構成(学歴・職業など)や経済状態の解明には重点を置いていない。主に、ポピュリスト指導者のロジックを分析する。支持層の経済的苦境の原因をマイノリティーの存在に転嫁し、反対派の分析的な議論はリベラル派エリートによる誤魔化しだとして問答無用で葬る。
④ ポピュリストの反多元主義はマイノリティーへの攻撃・差別に止まらず、反対派との討論拒否(必要なのは、議論ではなく決断と実行)、報道機関の排除(国民へ真実を伝えるのに仲介者は不要⇒SNSやブログの重視)などに及ぶ。 民主主義への敵対行為を、本当の民主主義(自分たちだけが国民の真の意思を代表)として正当化する危険性を著者は指摘する。
⑤ ポピュリストも政権に就けば、現実的になるか、失敗して下野することになると言う見方にも本書は否定的である。政策が実現出来ない理由として、「敵」を見つけ出して政権維持をはかると予測。さらに言えば、議会での議論を封じ、批判的な報道機関を排除した状態では、投開票に不正が無ければ公正な選挙が可能であると言えるのかと問う。
⑥ 米国では著者の危惧したような状態が既に生じているようだが、フランスでは国民戦線のルペン候補が敗北した。多少の希望は感じるが、イタリアの五つ星運動など不安の種は尽きない。もちろん、著者もポピュリズムへの対抗策を挙げてはいるが、聞きたがらない人々に聞いてもらうのは簡単なことではないだろう。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ポピュリズムとは何か を買う

アマゾンで購入する
岩波書店から発売されたヤン=ヴェルナー・ミュラーのポピュリズムとは何か(JAN:9784000247962)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.