創価学会を語る の感想

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タイトル創価学会を語る
発売日販売日未定
製作者佐藤 優
販売元第三文明社
JANコード9784476033526
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 新興宗教 » 創価学会

購入者の感想

敬虔なプロテスタント信徒の佐藤氏と、日蓮正宗僧侶の経歴をもつ松岡教授の語らいは、「異教」と「異端」の違いについて、「召命観」と「自他共の幸福」についてなど、従来の創価本に見られない切り口で、キリスト教神学と日蓮教学の「文明間の対話」の様相さえ感じさせてくれます。

特に、最終章「創価学会の未来を展望する」で語られる内容には、たいへん興奮を覚えました。
「宗教的真実と文献学的真実の差異」について語る場面などは、現在の創価学会を取り巻く教学上の問題の多くを解決してしまう、重要な考察です。
日蓮の真筆文書であることは重要だが(文献学的真実)、後世の人が書いた日蓮真筆とはいえない文書も、宗教教義的に間違いがなければ真筆に準じた扱いであってよい(宗教的真実)という考えは、日蓮真筆文書をめぐる論争に、一つの決着点を与える可能性があります。

佐藤氏は創価学会を、プロテスタントの視点で捉えておられるようです。
バチカンを頂点としたカトリックと聖職者・聖地が存在しないプロテスタントという対比と同様に、総本山大石寺を擁する日蓮正宗と創価学会との対比などを考察されていて、
後述する「教義条項改正」の場面などで、佐藤氏のこの見方が特に顕著にあらわれているように感じました。

また、「因果具時」の教理を「この世界を『時系列』に見るのではなく『構造』として見る。『構造』なのだから土台(因)が変わればその上(果)も変わる」など、随所に見られる佐藤氏のユニークな教学解釈は、意外ではあるものの、たいへん的を得た見方ではないか、と同感することが多くありました。

「池田会長の哲学が『生命的存在論』であることが、彼の哲学を外部者が理解するのが難しい理由の一つであり、図式化・対象化・言語化しにくい」と佐藤氏の指摘には、目から鱗が落ちました。
池田会長の哲学が、「表層的にしかモノを見ることができない方たち」に理解されないのは、構造的に仕方がないことなのだ、ということが改めて納得できたように思います。

今まで当たり前だと気にもとめていなかったことを、本書の佐藤氏の指摘で気づかされた点も多くありました。

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