戦後日本の宗教史: 天皇制・祖先崇拝・新宗教 (筑摩選書) の感想
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参照データ
タイトル | 戦後日本の宗教史: 天皇制・祖先崇拝・新宗教 (筑摩選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 島田 裕巳 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480016232 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門 |
購入者の感想
敗戦からオウム真理教事件までの戦後50年を「宗教」という観点から振り返った本。サブタイトルにあるとおり、天皇制・祖先崇拝・新宗教という三つの軸から論じられている。これらの三つが必ずしもバランスよく論じられているわけではなく、新宗教とりわけ創価学会に関する記述が目だって厚く、具体的な論点として政教関係の問題への傾きが強く、またこの三つの焦点から外れる戦後宗教史についてはほぼ語られないという物足りなさがあるにせよ、ひとつの戦後宗教史の語りとして興味深く読んだ。
本の帯には、「宗教学者・島田裕巳の集大成!」とある。宗教にかかわる事象なら古今東西問わずほとんどなんでも評論しているような著者なので、「集大成」はやや疑問な売り文句だが、しかし本書で取り上げられているようなテーマこそ著者の宗教論の真骨頂といっていいような感じがする。現在の著者のこだわりの強いのであろう上記の三つの軸をうまくからませながら構成された戦後宗教史像の提示と、そこでの特に注目すべきポイントの指摘の数々は、なるほ学ぶところの多い、優れた著書であると思う。
本の帯には、「宗教学者・島田裕巳の集大成!」とある。宗教にかかわる事象なら古今東西問わずほとんどなんでも評論しているような著者なので、「集大成」はやや疑問な売り文句だが、しかし本書で取り上げられているようなテーマこそ著者の宗教論の真骨頂といっていいような感じがする。現在の著者のこだわりの強いのであろう上記の三つの軸をうまくからませながら構成された戦後宗教史像の提示と、そこでの特に注目すべきポイントの指摘の数々は、なるほ学ぶところの多い、優れた著書であると思う。