旅館再生 ――老舗復活にかける人々の物語 (角川oneテーマ21) の感想

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タイトル旅館再生 ――老舗復活にかける人々の物語 (角川oneテーマ21)
発売日販売日未定
製作者桐山 秀樹
販売元角川グループパブリッシング
JANコード9784047101401
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » サービス・小売 » ホテル

購入者の感想

本書の内容は、ホテル業が専門のノンフィクション作家である筆者が、「なぜ日本の旅館が全国の観光地で衰退したのか。そしてその復活の鍵は何なのか」を全国の多くの旅館を取材したレポートをまとめたものである。旅館は実名で紹介されており、取材に基づく著者の意見も述べられている点は良いことだと思う。その上で、旅館衰退の主犯を大手旅行代理店とし、「極めて多くの日本旅館が、バブル崩壊直後まで、現実に訪れる旅行者の姿を見ず、旅行会社の営業担当者の背中を見てサービスしてきた」ことが現実であると断言している。また、復活の鍵は本来日本旅館が持っていたホスピタリティにあるとし、旅館再生でもはや非常に有名な”星野リゾート”が手がける手法や、由布院や黒川温泉などの地方の地道な取り組みをふんだんに紹介している。

ただ、情報量は多く知識が増える点でそれなりに楽しく読めるのだが、それ以上でも以下でもない。つまり、著者の言いたいことは、上の段落で示した程度のことでまとめられるほどであるので、まるで旅行のガイドブックを見るようなもので、知識の広がりが乏しいと感じられる。これはひょっとすると、筆者の独自の執筆スタイルなのかもしれないし、自分と筆者のマインドが合わないのかもしれない。要するに、好き嫌いなのかもしれない。

更に言うと、星野リゾートの旅館再生を手放しで褒めたたえているおり、もちろん星野氏の類まれな能力と努力には敬意を払うが、その旅館再生時には「民事再生で旅館の負債が大幅に棒引きされているので収支が非常に楽になる上に、投資ファンドからの資金で旅館の設備投資を行える」ことが前提としてあり、その上で、さまざまな手法で旅館再生のアイデアが反映できていることを忘れてはならない。この点を指摘していないことも気になる点である。

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